一般的に、50歳を過ぎると筋肉は毎年1~2%ずつ減少し、70代と20代を比較すると、骨格筋の面積が25~30%も減少することが言われています。
筋肉量の減少を予防するには、運動とタンパク質の摂取が非常に重要です。特に、筋肉を増やすためには、レジスタンス運動が効果的だとされています。レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかけるトレーニングのことを指します。例えば、スクワットや腕立て伏せなどが挙げられます。
予防の観点からは、軽い運動や中程度の運動も効果がありますが、少し負荷を感じる程度の筋力トレーニングをコツコツと続けることが効果的です。高齢者においては、筋力だけでなく全身運動も行うべきだと考えられています。また、毎日楽しく運動をするためには音楽などを取り入れるなど工夫することも大切です。
食事は、体に必要な栄養をバランスよく摂取することが重要です。特に、サルコペニア(筋肉量の減少)を予防するためには、1日に75g以上のタンパク質を摂取する必要があります。体が自ら合成することができない必須アミノ酸を含む食品を適切に摂取することも重要です。
サルコペニアと肥満が重なる場合、全体的な食事量を制限するダイエットは、筋肉量の減少につながる可能性があります。そのため、タンパク質の摂取量を維持しつつ、糖質や脂質の摂取量を制限していくことが大切です。運動を行わずに冬を過ごした結果、筋肉量が減少してしまった方は、サルコペニアと肥満の両方を予防するために行動することが重要です。