血糖負荷を予防するためには、自分の血糖値を把握することが非常に重要です。このためには、年に1度など定期的に健康診断を受けることがおすすめされます。
健康診断における血液検査では、主に以下の2つの血糖値が確認できます。
① 空腹時血糖値:絶食状態で測定した値で、空腹時の血糖値を示すものです。
② HbA1c:直近1~2カ月間の平均血糖値を反映した数値で、赤血球内のグリコヘモグロビンの割合を示します。
血糖値は一日中で変動するため、朝食前や就寝時などのタイミングや、食事や運動、入浴などの要因によっても変化します。空腹時血糖値は比較的安定しているため、測定しやすいですが、数値そのものは一定ではないため、単体で病気の診断を行うのは難しいです。
一方、HbA1cは、赤血球内のグリコヘモグロビンの割合を示すため、直近の平均血糖値を反映します。グリコヘモグロビンは血糖と結びついた形態であり、血糖値が高いほどその割合も高くなります。
赤血球は約120日間で寿命を終え、その後は新しい赤血球に入れ替わります。この新しい赤血球は、新たにヘモグロビンを作ります。そのため、採血時に調べられる赤血球内のヘモグロビンの量から、過去120日間の血糖の状態を推定することができるのです。
通常の健康診断では、空腹時血糖値が126mg/dL以上やHbA1c値が6.5%以上(NGSP)といった基準値を超えた場合、糖尿病が疑われるため、再検査が必要となります。
通常の健康診断では食後の血糖値は測定されませんが、食後の血糖値が高い状態が続くと、ヘモグロビンとグルコースが結合しやすくなり、HbA1cの値が上昇します。
その結果、「空腹時血糖値が正常でもHbA1cが高い」という状況が検査結果に現れ、これが糖尿病の兆候となる場合もあります。自身の血糖の状態を正確に把握するためには、HbA1c値を注意深く観察することが非常に重要です。