お風呂が体に良いとされるのは、主に以下の5つの作用が考えられます。
(1)温熱作用:全身を巡る温かさ
温かいお湯に浸かると、まず皮膚の表面が温まり、その熱が血管を通じて全身へと広がります。血管が拡張することで血流が促進され、体の隅々まで栄養や酸素が届けられ、老廃物や二酸化炭素が効率よく排出されます。この血行促進こそが、お風呂上がりのすっきり感をもたらす要因です。また、温熱効果によって筋肉や関節の緊張が和らぎ、肩こり、腰痛、筋肉痛といった痛みの緩和にも繋がります。シャワーだけでは、この深部からの温め効果は得にくいでしょう。
(2)静水圧効果:水深がもたらす恵み
水の中では、水深が1m増す毎に1cm²あたり100gの圧力が体にかかります。この静水圧によって、重力で足に溜まりがちな血液やリンパ液が心臓方向へと押し戻されるため、立ち仕事や妊娠中のむくみ解消に効果を発揮します。より高い効果を期待するなら、半身浴よりも全身浴がおすすめです。
(3)浮力:重力からの解放
水に浸かることで、体には大きな浮力が働きます。例えば、体重60kgの人であれば、水中ではわずか6kg程度まで体重が軽減されます。この浮力によって体が軽く感じられ、心身のリラックスを促すと同時に、関節への負担も軽減されます。
(4)粘性・抵抗性:水中でのエクササイズ効果
水には特有の粘り気と抵抗力があります。この性質を利用することで、お風呂の中でのストレッチや軽い運動は、陸上で行うよりも効率的に筋肉を刺激することができます。
(5)清浄作用:お湯に溶け出す汚れ
お湯には、皮膚の汚れを洗い流す清浄作用があります。湯船に浸かるだけで毛穴が開き、汗や皮脂などの汚れは十分に落ちるため、強く擦ったり、過度に石鹸を使用する必要はありません。お湯の力で優しく清潔な肌を保つことができます。