SNSの普及やリモートワークの増加により、私たちのコミュニケーションはオンラインへと大きくシフトしました。いつでもどこでも気軽に繋がれる利便性がある一方で、オンラインでの繋がりが心身の健康に与える影響は、対面でのやり取りに及ばないと考えられています。
ある研究では、高齢者の精神的健康について、ビデオ通話の頻度と対面での交流の頻度を比較しました。その結果、ビデオ通話を頻繁に行うことが、精神的健康に特にプラスの影響を与えるわけではないことが明らかになりました。
また、SNSの友だちの数と、その中でどれだけ親密な関係を築いているか、困ったときに頼れる人がいるかについての調査でも、興味深い結果が出ています。友だちの数が増えるほど親しい人も増える傾向は見られましたが、「いざという時に助けてくれる人」の数は、友だちの数が一定以上になるとそれ以上増えないことがわかりました。
これらのことから、オンラインでの繋がりは、対面での交流を完全に代替するのではなく、あくまで補完的なものと捉えるのが良いでしょう。