ゴースト血管を防ぐ生活習慣

毛細血管の状態は、指先の血流を調べることで、ある程度把握できます。最近では、薬局や薬店で、指先の血管や血流を観察できる「毛細血管スコープ」がカウンセリングツールとして導入されるケースが増えてきました。

さらに、「糖尿病網膜症の早期発見には、手指の爪の付け根部分(爪床部)の毛細血管の測定データを確認することが手軽な方法となる」という研究報告もあり、将来的には医療分野への応用も期待されています。

ご自身の毛細血管の状態は、簡単にセルフチェックできます。

  1. 親指の爪を、反対の手の指で上からしっかりと押さえます(爪の色が白くなるまで)。
  2. 5秒経過したら、急に指を離します。

指を離した後、2秒以内に爪の色がピンク色に戻れば、血流は正常と判断できます。ゴースト血管の心配は少ないでしょう。一方、ピンク色に戻るまでに5~6秒程度かかる場合は、血流が悪くなっているサインかもしれません。毛細血管のゴースト化に注意が必要です。

もし現在、血流が悪い状態であっても、生活習慣を見直すことで毛細血管のゴースト化を防いだり、改善したりすることが可能です。

特に重要なのは、運動を習慣にすることです。1日20~30分程度のウォーキングや、かかとの上げ下げといった簡単な運動で十分です。ウォーキングのような、継続的に弱い負荷がかかる有酸素運動は、毛細血管が多く集まる赤筋(遅筋)を刺激し、末梢の血液循環を改善する効果が期待できます。

また、かかとの上げ下げ運動は、ふくらはぎの筋肉を動かすことで静脈が圧迫され、ポンプ機能が高まり、下から上への血流を促します。

食事については、一般的に言われるようにバランスの取れた食事が基本です。それに加えて、「Tie2(タイツー)」という物質を活性化する食品を摂取すると、ゴースト血管の予防につながります。研究により、Tie2の活性化作用が確認されているものには、シナモン(桂皮エキス)やヒハツエキスがあります。

ヒハツは別名インドナガコショウとも呼ばれ、最近では「ロングペッパー」として粉末状のものがスーパーマーケットのスパイスコーナーや健康食品コーナーなどで販売されています。シナモンパウダーも同様に入手しやすく、1回あたり0.5g(小さじ1/2)を目安に、飲み物や料理に加えてみるのがおすすめです。また、健康茶として人気のルイボスティーにも、Tie2を活性化する成分が含まれています。普段飲んでいるお茶をルイボスティーに変えてみるのも良いでしょう。

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鍼灸マッサージ師をしています。
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