「おぼしき事言はぬは腹ふくるるわざ」
吉田兼好の徒然草の一節です。思っている事を言わずにためこむと、胃の負担になるよ、という意味です。思い当たるふしがある方も多いのではないでしょうか。700年も前の昔から言われていたんですね。
日頃感じている軽い胸やけやもたれ、膨満感は、胃からのSOSです。「ディスぺプシア」ということばを聞いたことがないでしょうか。胃への血流が悪くなり消化機能が低下するというもの。医学的にも病気とみなされており、日本人の4人に1人とも言われています。いつものことと放っておくと、睡眠障害や活力減退などにもつながっていきますので要注意です。
「ディスペプシア」の主な原因は、ストレスや食生活の乱れといわれています。胃腸には脳細胞と同じ種類の細胞が分布しており、それらが自律神経でつながっているため、頭で感じたことが伝わりやすいそうです。
これからの季節、十分注意したいのが、ストレスで弱った胃腸に追い討ちをかける、忘年会での暴飲暴食。お酒を飲む前に、胃粘膜を守ってくれる乳製品をとっておいたり、酒の肴には、油分の多いものを控え、刺身、焼物、さらには、ビタミン豊富な野菜類を選ぶ、などの心がけをするとよいでしょう。上手にストレス発散して、心も体もスッキリさせたいですね。