仕事が忙しい時や、環境が変わった時って、疲れが抜けないと感じます。人間関係の変化がある時も、気分が落ち込み、物事に集中できないことがあります。仕事や環境の変化によって体調が変わるのは、ストレスによる影響かもしれません。人間関係の変化も、ストレスが原因となっていることが多いです。それによって引き起こされる病気もあります。
【仕事のストレス】
人は、さまざまな理由でストレスを抱えます。2018年の厚生労働省 労働安全衛生調査(実態調査)の結果によると、労働者のうちの半数以上が、仕事や職業生活に対して強いストレスを感じているとされています。
この調査では、仕事をする上でストレスを抱えている人は、20歳未満は4割弱ですが、20歳代になると「2人に1人以上」という結果になります。全年齢層をあわせると、58%の人が、何らかの「強いストレス」を抱えています。
【ストレスは体にどう影響するのか】
ストレスとは、外からの刺激による心や体の反応、のことです。ストレスを起こす原因をストレッサーと呼びますが、何がその人にとってのストレッサーになるかは分からないのです。
また、結婚や離婚などの生活が大きく変わることや、親しい人との死別、自分自身の病気なども、大きなストレッサーとなることがあります。子育てがストレッサーとなることもあります。
一般的に、ストレスによる反応には
・心理的反応:怒りや不安、悲しみ、不眠、怒りっぽい、注意力・集中力・記憶力・判断力の低下など
・身体的反応:頭痛や腹痛、めまい、疲労感、血圧の上昇、下痢や便秘など
があるとされており、これに対して人が起こす行動には、過食や拒食、大量の飲酒、喫煙などがあります。ストレスが強い生活を続けていると、やがてさまざまな病気の原因となっていくことが指摘されています。円形脱毛症、耳鳴り、メニエール病、頭痛、脳血管疾患、高血圧、心臓病、胃腸炎、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、うつ病、精神不安、自律神経失調症、気管支喘息、肥満、糖尿病、適応障害などがあげられています。
一時的な体調の変化なら、ストレッサーを切り離し、数日間送れば回復することもあります。しかし、一度かかってしまうと一生涯付き合っていかなければならない慢性疾患に罹ることもあります。また、国立がん研究センターが行い2018年1月に結果を公表された研究では、「長期的にわたり、自覚的ストレスレベルが高ければ、全がん罹患リスクが高くなる」という結果が出ています。 慢性的な病気やがんになると、受診、検査、投薬、治療など、毎月の医療費はかさんでいきます。仕事や責任の大きさ、対人関係などから始まったストレスは、放っておくとさまざまな病気を引き起こし、治療費も多くかかってしまう可能性があります。
【健康になる社会づくり】
2015年から厚生労働省が主体となり「企業におけるストレスチェックの義務化」が始まりました。労働者数50人以上の事業所が、年に1回以上、労働者に「ストレスに関する質問票」への回答を促し、その結果を元に労働者のストレス状況を把握し、必要に応じて医師からの面談を行うように促す、という制度です。また、2016年からは経済産業省が「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定制度をスタートさせました。 さらにプライベートな部分でのストレスについては、地方自治体や医療機関などで、相談窓口を設けているところが増えてきました。
ストレスの要因は人によってさまざまです。このような制度の充実により、よりストレスの少ない環境をめざしていきたいものです。
【ストレスの解放(当院の場合)】
暮らしているだけでたまっていくストレス。ストレスをためないようにしよう、と考えるだけでもストレスは蓄積していきます。ストレスが外からの刺激による心や体の反応なので、まずは「体」を解放することを目指します。最も顕著に現れるのが、首と肩のコリ。コリは現れている場所だけでなく、全く別の場所の緊張が首と肩のコリとなって現れることもよくあるため、全身を触れて緊張をとっていきます。体の状態が良くなると連動して心の状態もかわっていきます。