加齢性難聴が進むと、生活の質だけでなく、うつ病や認知症のリスクも高まることが分かっています。米国の調査によると、言葉の聞こえが悪くなることとアルツハイマー病の発症率の上昇が関連していることが示されています。日本では、65歳以上の580人を3年間追跡調査した結果、加齢性難聴がうつ病の発症リスクを増加させることがわかっています。
2017年には、『ランセット』国際委員会が、「難聴が認知症の最も大きな危険因子である」と発表しました。『ランセット』国際委員会は、世界的に著名な医学誌である『ランセット』に掲載された論文を分析・評価する専門家機関です。加齢性難聴が進行すると、コミュニケーションが困難になり、脳に入る情報量が減少します。このことが脳の機能低下に繋がり、うつ病や認知症のリスクを高める恐れがあります。早めの対策が必要とされています。