加齢性難聴は、音を伝える経路全体の機能が低下することで生じる感音難聴の一種です。聴覚センサーとなる有毛細胞は、中耳内に位置する蝸牛状の構造に存在しており、音を検知する役割を担っています。加齢性難聴は、有毛細胞が年齢とともに折れ曲がったりすることによって引き起こされると考えられています。
有毛細胞は、蝸牛の入口から高音から低音の順に配置されているため、加齢性難聴においては高音域の音が聞き取りにくくなる傾向があります。音の高さは、周波数で表され、Hz(ヘルツ)という単位で示されます。周波数が大きくなるほど、音は高くなります。一般的に、子供は20Hzから20000 Hzの周波数の音を聞くことができますが、成人になると最大で16000 Hzまで、高齢者に至っては5000 Hzまでしか聞こえなくなります。
“モスキート音”は、若い人たちにしか聞こえない高周波の音を指します。この言葉は、英語で”蚊”を意味する”mosquito”に由来しており、ブーンという蚊が飛んでいるような高音を指します。成人のほとんどが、18000 Hzのモスキート音を聞くことができないとされています。
加齢性難聴は少しずつ進行
