妊娠中や高齢者に多く見られる「こむら返り」は、主にふくらはぎの筋肉(腓腹筋やヒラメ筋)が異常に収縮する状態を指します。腓腹筋の「腓」の字を「こむら」と読むことから、この名前がつきました。ふくらはぎだけでなく、足の裏や指、太ももなど、さまざまな部位で起こることがあります。
こむら返りの主な原因として考えられているのは、体内の水分不足やマグネシウム不足です。これらの不足により、筋肉が緩みにくくなり、こむら返りが起こりやすくなります。運動中や睡眠中、熱中症の際に起こりやすいのは、発汗による脱水やミネラルバランスの乱れ、冷えなどが関与しているためです。
ただし、50歳以上の方で頻繁にこむら返りが起こる場合は、腰部脊柱管狭窄症や甲状腺機能低下症といった他の病気が潜んでいる可能性も考慮する必要があります。腰部脊柱管狭窄症は、加齢や腰への負担の蓄積などにより脊柱管が狭窄し、神経が圧迫されることで腰痛、臀部痛、足の痛みやしびれ、脱力感など様々な症状を引き起こす病気です。こむら返りも、その症状の一つとして現れることがあります。
その他、低栄養や服用している薬の副作用などが原因となることもあります。