寒さが厳しくなってくるこの季節、冬支度を進めていることでしょう。しかし、その中には気分がすぐれなかったり、体調不良を訴える方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、そうした症状は「気象病」と呼ばれるものかもしれません。言わば、昔から「夕方に子どもが元気だと雨が降る」というように、気象と健康は密接な関係があるとされています。季節の変化や急激な気象の変動に身体が適応できず、頭痛や関節痛、神経痛などが引き起こされることもあるのです。ちなみに、気象と病気の関係について研究する学問を「生気象学(せいきしょうがく)」と呼びます。進んだ研究が行われているドイツでは、天気予報と共に健康に関する情報が記載されている新聞も存在するとのことです。
冬の健康管理において留意すべき点は、寒冷前線がもたらす影響です。寒冷前線が通過すると、急激な天候の悪化により、気温、湿度、気圧が突然変動することが、気象病の要因になり得ます。特にこの季節は気温変化が大きく、自律神経が不調な方や基礎疾患をお持ちの方は、特に気をつける必要があります。体が適応できる気温の変化は、一般的に5℃以内と言われています。これは、服を1枚追加する程度の変化に相当します。そのため、前日よりも気温が5℃以上下がるときは、余分に着込むなどの対策が必要です。健康を維持するためには、規則正しい生活や軽い運動を取り入れることで、気象の変化に対する適応力を向上させることも大切です。天気予報を確認し、季節の変化による体調の乱れに備えてください。