この寒さで身体の芯から冷える季節に、人知れず多くの人が苦しんでいるのが「痔」。お尻は本来血行が悪い部位なので、常に冷たさを感じやすいです。この状態に加えて冷えが加わると、肛門の血液循環が悪化し、痔の発症を招く可能性もあります。特に長時間立ちっぱなしや座りっぱなしの方は気をつけましょう。立っている時間が長くなると、足がむくんだりするのと同じように、お尻もむくんできます。また、座っている状態も、体重によって肛門部に圧力がかかり、血液の流れが滞ることでお尻がうっ血し、痔を引き起こす可能性があります。
痔を予防するためには、まずは運動をすることが重要です。体を動かすことで肛門の血流が改善され、腸の動きが活性化されるため、ウォーキングや軽い体操を継続することが効果的です。運動する時間がない方には、手軽にできる「肛門体操」を試してみるのも良いでしょう。お尻の穴を何度かキュッと締めたり緩めたりするだけで、肛門周囲の筋肉が鍛えられ、血液の流れが促進されます。俳人の松尾芭蕉が「痔の痛みで句作ができない」と不満を書いた手紙を出したとされています。昔から多くの人を悩ませてきた痔を持病にしないためにも、日常的なケアがとても大切です。寒い冬こそ、健康を保ちましょう。
目次