朝、首に激しい痛みを感じて動かせない。それは、多くの方が経験する「寝違え」かもしれません。些細な動きさえも苦痛を伴うため、着替えといった日常動作や仕事に支障が出てしまうのは辛いものです。
寝違えは、冷えや疲労によって硬くなった首の筋肉が、睡眠中の不自然な姿勢によってさらに負担を受け、筋肉の深い部分で微細な損傷や炎症、内出血が生じることで起こります。早く治したい一心で患部を揉んだり、ストレッチをしたくなりますが、これは逆効果です。痛むときは、できるだけ首や頭を動かさないように心がけ、症状が落ち着くまでは運動も控えましょう。
温めるか冷やすかで迷いがちですが、寝違えは筋肉の炎症が主な原因なので、まずは冷やすのが基本です。温めて血行を促進すると、かえって炎症が悪化する可能性があります。入浴も同様に、控えた方が良いでしょう。冷湿布や保冷枕などを使い、患部を冷やして痛みを和らげてください。
もし、頻繁に寝違えを起こすようであれば、枕の高さが合っていないのかもしれません。横向きに寝た際に、眉間から鼻、そして胸の中心を結ぶラインが床と平行になるのが理想的な枕の高さです。また、日頃の姿勢の癖も首に負担をかけている可能性があります。いつも同じ肩にバッグを掛けたり、パソコン作業や家事の際に前かがみになっていないかを見直してみましょう。寝苦しい夏を迎える前に、正しい寝違え対策を始めてみませんか。