肩こりや腰痛は、私たちの日常生活に潜む様々な要因によって引き起こされます。その多くは、肉体的ストレスと精神的ストレスに起因すると言えるでしょう。
肉体的ストレスの主な要因として挙げられるのが、不良姿勢や長時間にわたる同一姿勢の維持です。これらの状態が続くと、特定の筋肉や関節に過度な負荷がかかり、その蓄積が炎症や痛みを引き起こします。例えば、猫背で長時間スマートフォンを操作する姿勢は、首や肩、背中、腰に大きな負担を与える典型的な例です。
一方、精神的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、交感神経を優位にします。交感神経には筋肉を緊張させる働きがあるため、精神的なストレスが持続すると、筋肉がこわばり、疲労や痛みを招きます。さらに、疲労や睡眠不足といった肉体的ストレスが加わることで、この状態は悪化の一途を辿ります。筋疲労は姿勢の悪化を招き、それが新たな痛みの原因となるという悪循環に陥ることも少なくありません。
現代社会においては、肩こりや腰痛を引き起こしやすい環境が広がっています。特に、パソコンやスマートフォンの長時間使用は、その代表的な要因と言えるでしょう。スマートフォン操作時の前傾姿勢は、約5kgもの重さがある頭部の負荷を首に集中させます。加えて、猫背での操作は、首、肩、背中、腰の広範囲にわたり筋肉への負担を増大させます。
さらに、パソコンやスマートフォンの長時間使用は、脳の疲労を通じて間接的に肩こりや腰痛を引き起こす可能性も指摘されています。スマートフォンの画面から絶えず流れ込む視覚情報は、脳に過度な負担をかけ、その結果として交感神経が優位になることがあります。仕事の合間や休憩時間、家事の息抜きに何気なくスマートフォンを見る習慣が、実は肩や腰の痛みの原因となっているのかもしれません。