怒りは、自らを守ろうとする感情として働く自然な感情です。身の安全が脅かされたり、家族が危険にさらされたり、大切なものが掻い潜りやられたり、望んでいない状況に直面したりした際に、怒りを通じて自分を守ろうとするのです。誰しもが持つ感情であり、その感情を持つこと自体は否定されるべきではありません。
たとえるならば、怒りは自己防衛の仕組みと似ています。免疫系が体を守るように、怒りも大切なものを保護しようとする本能的な働きがあります。しかしながら、病気と闘っているつもりが、健康な細胞まで攻撃してしまうような状況が問題です。最近感じられるのは、本来のバランスを乱すだけでなく、攻撃が関係のない領域まで広がっているという点です。言い換えれば、免疫反応が過剰になってしまった状態と言えます。