怖い真夏の食中毒を予防する

【食中毒の種類】

食中毒の原因となる菌や原因ウイルスは、以下のようにさまざまなものがあります。
・夏場に多くみられる「細菌性食中毒」・・・腸炎ビブリオ、サルモネラ、黄色ブドウ球菌など
・冬場に多いとされる「ウイルス性食中毒」・・・ノロウイルス、ロタウイルスなど
・誤って飲んだり混入が原因による「化学性食中毒」・・・農薬、洗剤など
・自然界に存在する「自然食中毒」・・・毒キノコ、ふぐ、貝毒など

黄色ブドウ球菌などは、夏場に起こりやすい細菌性食中毒の一種です。化学性食中毒や自然食中毒と違って、細菌性やウイルス性の食中毒は、原因が目に見えないため細心の注意が必要です。

【夏に多い細菌性食中毒の感染経路】

細菌性食中毒はさらに3つのタイプに分けられます。感染経路はそれぞれ以下のとおりです。

・感染型・・・腸炎ビブリオ・サルモネラ・カンピロバクターなどで、生肉や生鮮魚介類・卵などの加熱処理が行われていない食品から感染する。
・毒素型・・・黄色ブドウ球菌・ボツリヌス菌などで、生菓子や弁当・おにぎり、真空パック、瓶詰めや缶詰などのような食品の中で、細菌が増殖して毒素を産生する。
・生体内毒素型・・・腸管出血性大腸菌・ウェルシュ菌などで、体内で増殖して毒素を産生するタイプの細菌。生肉や調理後に室温で長時間放置された料理などから感染する。

【食中毒予防の三原則】

家庭で発生する食中毒は、取扱の不注意から起こることがほとんどです。食中毒を予防するために、「付けない」「増やさない」「やっつける」という三原則を守ることが大切です。

①付けない・・・菌を他の食品に付着させないようにする
食材を取り扱う前と後に、手指をしっかりと洗います。手のひら、手の甲、指、爪、手首まで石けんを泡立てて洗い、流水で十分に洗い流すことが大切です。

肉や魚は、ポリ袋やラップでしっかり包んで冷蔵庫で保存します。冷蔵庫の中で他の食材に触れてしまったり、汁が漏れることで他の食材を汚染したりすると、食中毒の原因になります。

台所用品にも気をつけます。まな板の上で肉を切った後、しっかり洗わずに生で食べる野菜を切ると、肉に付着した菌が野菜につきます。野菜を切ってから肉を切るなど、調理の順番を考えたり、生で食べる食品用と肉・魚用でまな板を分けるのをおすすめします。また、保存用ポリ袋やラップ等の再利用は避けた方がよいでしょう。

②増やさない・・・菌が増殖する環境に置かないようにする
冷蔵品や冷凍食品は、すぐに冷蔵庫・冷凍庫に入れます。また、冷蔵室へ食品を詰め込みすぎると温度が高くなります。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下に保つようにします。

冷蔵庫に入れておいても細菌は死滅するわけではありません。長期間にわたる保存は避けます。早めに使いきりましょう。

③やっつける・・・殺菌・消毒して死滅させる
多くの細菌は、75℃以上で1分以上加熱すると死滅します。十分に加熱調理すれば、ほとんどの食中毒は防ぐことができます。食材の中心部までしっかり火を通します。

使用後の調理器具の殺菌には、塩素系漂白剤などに含まれる次亜塩素酸ナトリウムが有効です。ただし、食品のカスなどが残っていると消毒力は失われます。調理器具を洗剤などでよく洗った後に使います。

万一、食中毒が疑われる症状が出てしまったら、市販薬を自己判断で飲まずに病院を受診します。市販薬を飲んで重症化する場合もあります。下痢や嘔吐がある場合は、水分や経口補水液を取ることも大切です。水を飲んでもすぐ吐いてしまう場合は、口を湿らせる程度で少量ずつ水分を取るとよいでしょう。

【食中毒対策で夏を健康に乗り切ろう】

夏は高温多湿で細菌の活動も活発になります。細菌性食中毒が起こりやすい季節です。予防対策を万全にして夏を乗り切りましょう。

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この記事を書いた人

鍼灸マッサージ師をしています。
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