【笑いが体の免疫力をアップ】
若くて健康な人の体にも1日3000~5000個ものがん細胞が発生していると言われています。これらがん細胞や体内に侵入するウイルスなど、体に悪影響を及ぼす物質を退治しているのが、リンパ球の一種であるナチュラルキラー(NK)細胞です。いろいろな説がありますが、人間の体内にはNK細胞が50億個もあり、その働きが活発だとがんや感染症にかかりにくいと言われています。
笑うと、免疫のコントロール機能の中枢である間脳に興奮が伝わり、情報伝達物質が活発に生産されます。笑いがきっかけとなって作られた善玉の神は、血液やリンパ液を通じて体中へ。NK細胞の表面に付着し、NK細胞を活性化します。そして、がん細胞やウイルスなどの病気のもとを次々と攻撃、免疫力が高まります。逆に、悲しみやストレスなどマイナスの情報を受け取ると、NK細胞の働きは鈍くなり、免疫力もパワーダウンしてしまいます。
【ナチュラルキラー細胞を元気にするには】
NK細胞の働きを活発にしてがんやウイルスに強い体を保つには、日常での心がけが必要です。NK細胞はストレスによって弱まり、うつ状態ではかなり悪影響を受けます。
①毎日7~8時間の睡眠
②心と身体、両面の過度なストレスや疲労を避けるようにする
③心配や不安、悲しみはなるべく短い時間で乗り越えるようにする
④憂うつ感が長く続く場合は、早めに専門医に相談する
一方、NK細胞を強くするためには、楽しく笑うほかに、く以下のような方法も有効です。
■適度な運動を毎日、少なくとも週3回する
もっとも効果的な運動の目安は、毎日約30分を目安に、少し速いと思えるくらいのスピードでのウォーキング。過労となるほどの激しい運動は、かえってマイナスになってしまいます。
■自分の好きなことを見つけて熱中
カラオケ好きな人が熱唱するとNK細胞が一気に活性化します。ところが、歌が苦手な人のNK活性は逆に弱まってしまったという実験結果もあります。好きなことに打ち込むときの集中力がカギとなります。
■とくにおもしろいことがなくても、笑顔を心がける
NK細胞の働きが弱い人や基準値の人は、作り笑顔を続けた後にNK細胞が活性化するという実験結果が出ています。「表情はいつも笑顔で」が、免疫力アップに効果的です。