日中はたくさん光を浴びて夜は強い光を避ける

体内時計を調整するための光の取り入れ方のポイントは、昼間にたくさん光を浴び、夜にはできるだけ暗い環境を作ることです。昔の人々は昼間は太陽の光を浴び、夜は月明かりやたき火の光だけで過ごしていました。しかし、現代の私たちの生活では、昼間は主に室内で過ごすため、太陽光を浴びる機会が少なくなっています。そして夜間も照明が明るいため、昼と夜の明るさの差が縮まっています。

昼間はなるべく多くの光を浴びるようにしましょう。光を浴びる量や時間には明確な基準はありませんが、最低でも1000ルクス以上の光を1時間は浴びることが望ましいとされています。屋外で太陽の光を浴びるのが一番ですが、屋内でも窓辺など光が差し込む場所ならば、だいたい1000ルクス以上の光を浴びることができます。夏場は熱中症に気をつけながら、屋内外を問わず光を浴びるようにしましょう。

睡眠前には強い光を浴びないよう注意しましょう。人間の目の中には、色々な種類の光を感知する細胞がありますが、その中でも特に短い波長を持つブルーライトが影響を受けやすいと言われています。パソコンやスマートフォン、タブレットなどの画面から出るブルーライトは、就寝前に見るのを避けるのが良いでしょう。特に、横になってスマートフォンやタブレットを見ると、目と画面の距離が近くなるため、多くの光が直接目に入ってくる可能性があります。また、室内の照明からもブルーライトが出ています。夜間に照明を使用する場合は、暖色系の光を選んだり、照明の光が直接目に当たらないように工夫することが考えられます。

睡眠中に考えられる光の影響について詳しくお伝えします。一般的に、就寝時においてはできるだけ暗い環境が有益だと言われています。眠る際にはアイマスクを用いて光を遮断する方法も一つの選択肢ですが、真っ暗な状態にすると高齢者のように夜中にトイレに行く際に転倒するリスクがありますので、注意が必要です。これを解決するためには、部屋を完全に暗くするのではなく、程よく明るい間接照明を使うなどして安全面でも気を配りましょう。また、寝室には外部からの光を遮断するために遮光カーテンを取り入れることがおすすめされています。以前は「朝日を浴びると目覚めが良い」と言われていましたが、実際には平城京スタディから、眠っている最中に光が入ると睡眠が中断されてしまい、睡眠障害を招く可能性があることが分かりました。夜更かしをしている人ほど、十分な睡眠を取れないまま朝日を浴びるリスクがあるため、寝室では光を遮断して、起床後に自然光を浴びるようにした方が賢明です。

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鍼灸マッサージ師をしています。
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