発酵性食物繊維が作る短鎖脂肪酸の働き

発酵性食物繊維は、腸内細菌(善玉菌)の栄養源として機能し、腸内細菌が分解する過程で生成される主要な代謝物として「短鎖脂肪酸」が挙げられます。

短鎖脂肪酸は様々な種類が存在します。酢酸は、腸の粘膜の修復を促進し、腸内のバリアー機能を向上させる効果があります。さらに、マウスを対象とした研究では、酢酸が病原菌やウイルスの侵入を防ぐ「IgA(免疫グロブリンA)」の産生を促進することが示されています。

酪酸は、腸内細菌の働きを活性化させ、免疫機能を向上させたり、大腸の炎症を抑えたりする効果があります。身体には関節リウマチや膠原病、潰瘍性大腸炎といった自己免疫疾患やアレルギーがありますが、これらは免疫細胞であるT細胞が誤って自分の体を攻撃することで引き起こされます。そこで、酪酸はマウスを用いた研究によると、制御性T細胞の増加に関与することで、この過剰なT細胞の活動を抑制すると考えられています。

プロピオン酸は体内で吸収されると肝臓で代謝され、血中のコレステロール値を下げる作用があるとされています。さらに、妊娠中の母親の腸内で生成されるプロピオン酸が、生まれてくる子どもの肥満を抑制する効果があるとマウスの研究で報告されています。

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