【原因いろいろ「ドライアイ」】
涙の量が減ったり、蒸発する量が増えて、目の表面が乾いてしまうのが「ドライアイ」です。涙の種類は2種類あります。悲しいときや、痛みを感じたときに主涙腺から大量に出る涙と、いつも目の表面を潤っておくために主涙腺とともに副涙腺からもじわじわ出ている涙です。主涙腺は目尻の上の白目(結膜)の奥に、副涙腺は白目全体にあります。
年齢を重ねると涙腺の機能も落ちていくため、高齢になるほどドライアイは増えていきます。また、外部刺激によって引き起こされることもあります。特に最近は、花粉症などのアレルギーで結膜炎を起こし、涙腺に障害が起こるというパターンが増えています。エアコンによる部屋の乾燥の影響も多いのです。ですが、最近の特徴は、パソコンやスマホなどを見る時間が増えることでまばたきが減り、目からの涙の蒸発量が増えて起こるケースです。
また、まぶたの軟骨には、涙の蒸発を防ぐために脂分を出す管があります。この部分が炎症などで詰まると脂分が出なくなり、目が乾きやすくなります。原因としては、アレルギー、濃いアイメイクなどによる炎症刺激が考えられています。
【注意すること】
エアコン使用時は必ず加湿をします。濃すぎるアイメイクは避けます。脂分の分泌をよくするため、蒸しタオルなどで目を温めるのも予防になります。温めることで詰まった脂分が溶け、分泌されやすくなる上、疲れ目にも効果があります。
【何かが飛んで見える「飛蚊症」】
目の前に蚊が飛んでいるように見えるのが「飛蚊症」です。飛蚊症は病名ではありませんが、目に起こる症状として、呼ばれています。
水晶体の後ろにある硝子体は、眼球の大部分を占めます。ここが変性したり、分解されると、繊維状の断片物が出てくることがあります。これが影を落とし、蚊が飛んでいるように見えます。近視の人は、硝子体が変質しやすいため、飛蚊症を起こしやすいとされます。
中高年、特に60歳くらいになると発症しやすくなります。これはまた違うしくみによるものです。硝子体はコラーゲンやヒアルロン酸などが詰まっている部分で、元はゼリー状ですが、加齢とともに水っぽくなります。すると揺れやすくなり、網膜に接して硝子体を包んでいる膜が、網膜からはがれてきます。そのときの微細出血やはがれた部分の跡などが、飛蚊症となって現れるのです。
飛蚊症の多くは支障のないものですが、なかには失明につながる重大な病気の前触れというケースもあります。
【注意すること】
蚊が飛んでいるような物が視野に常に入ったり、飛蚊症の症状が急にひどくなったときは、早めの眼科への受診をおすすめします。
【定期的な目の健診】
目の病気は気づかないうちに進行しているものもあります。40代以降は、少なくとも5年に一度くらいは目の検診を受けましょう。
近視の強い人はいろいろな病気を引き起こしやすい傾向があります。近視が強くなったら、定期的な健診を受けましょう。
そのほか、高血圧や糖尿病などを患った際は、目の病気を併発しやすいので、病気がわかったときに眼科も受診してください。