環境の変化や長時間労働などでストレスがたまり、つい、食べると癒される、疲れがとれる、と言って、とっても甘いスイーツなどを常に食べていないでしょうか。健康寿命を伸ばすために、老化を遅らせるために、日常の食習慣をチェックしましょう。
【糖化と糖化最終生成物】
余分な糖質が、体内のタンパク質などと結びつき、細胞を劣化させてしまう糖化は、老化現象の危険因子なのです。この糖化が起こる際に生成される糖化最終生成物(AGEs)は、健康的な生活を送っている人だとそれほど増えません。ところが、不適切な食生活、よくない生活習慣、運動不足の人の場合、急激に体内に蓄積され、病的老化を進めてしまいます。
【老化の三大要因】
老化の三大要因には、以下の3つ、酸化、加齢、糖化が挙げられます。中でもAGEsは、体の中の生理現象にさまざまな悪影響を与えることが、近年明らかになってきています。美容面では、皮膚のくすみやたるみの原因になると言われています。
・酸化:喫煙、ストレス、紫外線
・加齢:代謝が低下し、ホルモン分泌が減少する
・糖化(AGEs生成):糖分の摂りすぎと栄養バランスの乱れ
また、いわゆる悪玉コレステロール(LDL)が糖化すると糖化LDLになって血管壁にこびり付きやすくなり、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞の危険を高めます。糖化を予防するには、急に血糖値を上げないように注意し、全粒粉パン、豆腐、納豆などの大豆製品、野菜、果物といった低GIの食事を摂ることが大切です。日頃から、ゆっくりと噛んで食べることも、血糖値の上昇を抑えるコツです。
AGEsはインスリンの分泌を抑制してしまうため、糖尿病の発症にも深い関わりを持ちます。AGEsの生成が糖尿病合併症を引き起こし、その結果、高血糖が進み、糖化ストレスが強まり、さらにAGEsが増えるという悪循環になります。
緑茶カテキンはAGEsを下げることが解っています。運動も糖化リスクを下げます。一方、喫煙はAGEsを上げ、副流煙でも上がります。若い人はAGEsを素早く排出できますが、加齢に伴い代謝が低下し、AGEsの排出に時間がかかってしまいます。
日々の食事が、未来の自分の体をつくります。健康寿命を延ばすためには老化を遅らせましょう。日頃の食習慣を見直すとともに、老化対策は、予防医学の観点からとても大切です。
【食品とGI値】
炭水化物
低:春雨、そば、小麦全粒粉パン、玄米
中:うどん、パスタ
高:白米、パン
野菜
低:葉もの(レタスなど)、きのこ類、大根、ピーマン、ブロッコリー
中:さつまいも
高:人参、かぼちゃ、じゃがいも
乳製品・菓子・果物
低:ナッツ類、牛乳、ヨーグルト、チーズ、バター、りんご、いちご
中:プリン、ゼリー、アイスクリーム、パイナップル、バナナ
高:フライドポテト、せんべい、クッキー、チョコレート