肌の老化にかかわる太陽光

日焼けには一口で言っても、実は「サンバーン」と「サンタン」という2つの種類があります。これらは、肌の状態において異なる特徴をもっています。

一般的にサンバーンとは、肌が赤くなりヒリヒリする症状を指します。この状態になると、メラニン色素が生成されやすくなり、シミやくすみが現れる可能性が高くなります。UV-Bという紫外線が、日焼けを引き起こす力は、UV-Aの500倍以上だと言われています。したがって、ほとんどのサンバーンは、UV-Bによって引き起こされるものです。さらに、細胞内のDNAを損傷する役割もUV-Bにあります。若い時期であれば、肌の自己修復力や細胞の自然な死によって、シミができずに回復できることが多いです。しかし、目に見えないDNAの損傷は蓄積されていくため、自己修復能力が追いつかなくなると、皮膚がんのリスクが高まってしまう可能性があります。

UV-Aは、肌にサンバーンを引き起こす能力が比較的弱く、主に皮膚を焼いて黒くする日焼けの生成に関与します。かつては、その影響がサンバーンを引き起こさないことから、「善玉紫外線」とも呼ばれていました。しかし、UV-Aを安全だと軽んじてはいけません。肌が黒くなるということは、メラニンが生成されていることを意味し、コラーゲン繊維も損傷しています。さらに、同時に活性酸素も生成されており、DNAを損傷する危険性があります。いずれにせよ、これらはシミやしわの原因につながります。

さらに、多くの女性が気にする“毛穴が目立つ”状態も、紫外線の影響で起こる場合があります。メラニンが蓄積して毛穴周辺が黒ずんで見えるのは、紫外線の刺激によるものと考えられます。

6月下旬の夏至には、太陽が一番高い位置にあります。この時期、太陽光は非常に強くなるため、オゾン層の影響が少ないUV-Aも特に強くなります。ただし、梅雨を迎える地域では、UV-Aのピークは5月に訪れます。一方、UV-Bはオゾン層によって吸収・弱められるため、オゾン層の吸収が少ない7~8月に多くUV-Bが降り注ぎます。これらのデータは紫外線量の平均値であり、晴れた日には6月でも紫外線が強く当たることになります。

冬の紫外線対策については慎重である必要があります。特に、スキー場のゲレンデや雪景色の広がる地域が気をつけるべきです。なぜなら、水面が紫外線の20~40%しか反射しないのに対し、雪面は80%以上もの紫外線を反射するためです。晴れた日には雪面からは通常の倍以上の紫外線が上下から降り注いでいることを考慮する必要があります。

ちなみに、肌の老化の原因のうち約20%は加齢によるものであり、残りの80%は紫外線による「光老化」と呼ばれる現象から引き起こされると指摘されています。日光浴をするということはつまり、紫外線を浴びることを意味します。このため、その影響を完全に避けることは不可能です。

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