脳をリセットする芸術、自然、スポーツ、甘いもの

情報過多シンドロームは、脳の容量の問題だけでなく、強いストレスや心理的問題が原因となる場合もあります。不安や不信感、不満、不快感、怒りなどを慢性的に抱え込んでいると、脳の中が悲観的な事象で埋められている状態になってしまいます。

嫌なことは忘れて気持ちを切り替えようと努力する方は多いですが、忘れようとするときはストレスやネガティブな事象を思い出すことになってしまい、根本的な問題解決にはなりません。

ヒトの大脳半球には前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉という4つの部位があります。このうち脳の司令塔の役割を担うのが、前頭葉の大半を占める前頭前野です。

ネガティブな事象で脳が埋められている状態とは、前頭前野の一部が集中的に使われていて、感情を司る側頭葉などが働いていない状態です。これを改善するためには、脳の広い範囲や大脳辺縁系の活動を活発にすることが早道です。

効果的なのが「芸術」や「自然」に親しむこと。芸術は音楽や美術鑑賞、あるいはカラオケなどでも大丈夫。自然も、遠方まで行かなくても、空をじっと見あげるだけで効果は得られます。

スポーツや早歩きなどの運動や、ものを噛むときの咀嚼には、幸福ホルモンと呼ばれる脳内伝達物質「セロトニン」の分泌を促す作用があります。運動ができないデスクワークのときなどにはガムを噛むのも効果的です。

■セロトニンの分泌を表した脳の断面図

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また、「疲れたときには甘いものが良い」と古くからいわれているように、甘いものを適度にとることは疲れた脳にもとても効果的です。人の体のグルコース(いわゆるブドウ糖)の約60%は脳で消費されています。特に脳の機能が低下している場合などは、修復のために脳がグルコースを要求していると考えられます。

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