生活習慣病は、複数の病気が互いに影響し合い、連鎖的に引き起こされる危険性があります。
たとえば、動脈硬化は、血管にコレステロールや脂肪が蓄積して硬化したり、血管壁が厚くなったりする病気で、主な原因は高血圧や脂質異常症、糖尿病です。動脈硬化が進むと、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や心筋梗塞といった深刻な病気を引き起こす可能性があります。
また、それぞれの病気は単独で発生するのではなく、密接に関係しています。糖尿病は血糖値の上昇を引き起こしますが、同時に血中のナトリウム増加などが原因で高血圧にもつながることがあります。さらに、糖尿病患者は中性脂肪が増加しやすいため、肥満や内臓脂肪の増加を招き、脂質異常症を引き起こすこともあります。
同様に、脂質異常症や肥満の人も、インスリンの働きが低下しやすいため、血糖値が上昇して糖尿病になるケースが見られます。また、肥満は体内の血液量を増加させ、血圧を上昇させることで高血圧のリスクを高めます。さらに、肥満によって増えた内臓脂肪が肝臓に蓄積されると、脂質異常症へと発展する可能性もあります。
このように、生活習慣病は一つが悪化すると、他の病気も連鎖的に引き起こすリスクが高まります。そのため、血管を健康に保つことは、生活習慣病予防の基本となります。血圧や血糖値、内臓脂肪といった要素は、どれか一つが急激に悪化すれば、近い将来、他の部分にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。