「言わぬが花」という言葉は、古くから考えていることを口に出さずに溜め込むことが、胃に負担をかけることを意味しています。つまり、感情や思いを内に秘めたままにしておくと、胃に負担がかかるというわけです。それでは、皆様が普段感じているささいな胸焼けやもたれ、満腹感が、実は胃からのSOSサインであることをご存知でしょうか。この症状が「ディスペプシア」と呼ばれるもので、胃への血液循環が悪化し、消化機能が低下することが原因です。欧米ではすでにこの症状は医学的に疾患と認識されており、日本でも約4人に1人がこの状態にあると言われています。普段から無視していると、睡眠障害や体力低下などへつながる可能性があるため、注意が必要です。
「ディスペプシア」の主な原因は、ストレスと食生活の乱れです。胃腸には、脳の神経細胞と同じ種類の細胞があり、それらが自律神経で連動しているため、心で感じたことが胃腸に影響を与えやすいのです。そして今後の季節、要注意なのが、ストレスで弱っている胃腸に影響を与える忘年会での過剰な飲食です。アルコールを摂る前に、胃の粘膜を保護してくれる乳製品を摂る、アルコールの肴には、油分の多いものを控える、生魚、焼き物、そして、ビタミンが豊富な野菜を選びましょう。
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