過敏性腸症候群(IBS)とは

過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome、略称:IBS)は、腸の内部を調べても潰瘍や腫瘤などの明らかな異常が見つからないにも関わらず、持続的に腹部が張ったり、不快感を感じたり、腹痛を訴えたり、排便時に下痢や便秘が繰り返される状態を指す疾患です。ここで重要なのは、IBSは基本的には大腸内視鏡検査で腸に異常が見られないことが確認された後に診断されるという点です。

ウェブ検索などをすることで多くの情報にアクセスできますが、自己診断せずに慎重になることが重要です。若い人々の間で、「私はIBS(過敏性腸症候群)だろう」といった自己診断をする人や、「ストレスによるものだろう」と疑うだけで心療内科を受診する人が増えています。しかしながら、これらの症状の背後には大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病などの疾患が潜んでいる場合も決して少なくありません。特に40歳以上の方が自己診断し、医療機関を受診せずにいると、大腸がんが見逃されるリスクが存在することを留意すべきです。ストレスを感じ、繰り返し下痢や便秘を経験しているからといって、安易に自己診断をすることは最も危険な行為です。確かに、ストレスなどの精神的要因が原因である可能性が考えられますが、症状が現れるのは身体の一部である腹部です。まずは、胃腸を専門とする消化器内科の医師に相談することが、正確な診断を得る上で非常に重要であることを念頭に置いておきましょう。

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鍼灸マッサージ師をしています。
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