今日は、二十四節気のひとつ、大雪。この時期は寒さも本格化し、真冬の訪れを感じさせる季節へと移行します。どのような特徴があるのでしょうか。
「冬ざれ」は草木が枯れ、何とも言えない孤独感を感じさせる冬の景色を指す言葉です。「冬ざれや 小鳥のあさる 韮畑」という与謝蕪村の俳句は、たおやかな自然の中で生きる小鳥が餌を探す様子を描いており、冬の静寂さの中に生命の営みを見出しています。
季節としての大雪においては、自然の変化とともに人々の暮らしにも様々な行事が行われます。お正月を迎えるために家々では、松や榊やユズリハなどを飾りつける準備が始まります。古来より12月13日頃には「松迎え」と呼ばれる習わしで山から松を取ってきていました。榊はツバキ科の木で常緑高木を指し、神事に用いられる木として重宝されてきました。ウラジロやユズリハも同様に新年の飾り付けに使用され、これらは豊かな自然からの恵みとして尊ばれてきました。
さらに年末になると、1年間の感謝の意を込めてお歳暮を贈る風習があります。「歳暮の礼」とも呼ばれるこの行事は、12月13日〜12月20日頃に行われることが多いですが、何よりも大切なのは、相手に感謝の気持ちを伝えることです。
加えて、「師走」とも呼ばれる12月には、冬の寒さと忙しさが増す中で「師走日和」と称される心地よい晴れ間が特に価値を持ちます。「日和」は本来、晴れた快適な天候のことを指し、何かを行うのに最適な状態を意味します。美しい冬の青空は、年末の慌ただしさを和らげ、ほっと一息つけるひとときとなります。
今後、喧騒を感じさせる冬の兆しとしての「大雪」は、古い伝統や自然の移り変わりを感じながら、新しい年を迎える準備の中で私たち自身の生活に深く根差しています。クリスマスのイルミネーションや家族と過ごすひとときなど、冬のもの寂しさを忘れさせる温かい出来事も多いです。
寒空の下、輝く星々、枯れ木、懐かしい想い出、そして新たな記憶が、冬の風物詩として私たちの目と心に焼き付けられます。このような大雪の時季を通して、日々変化する自然の微細なサインに注意を払い、健康に気をつけて穏やかに暮らしていきましょう。