シミの種類と原因はこれ

シミは、皮膚内で作られるメラニンという色素が沈着したものです。紫外線を浴び続けるとできる「日光黒子(老人性色素斑)」が一般的です。ソバカスや、ホルモンバランスの乱れが関係する「肝斑」というシミもあります。

【シミの種類】

シミとは、薄茶色や濃褐色の色素が肌に出るもので、大きく4つに分類されます。

①日光黒子(にっこうこくし)

一番多いシミ。日光性黒子、老人性色素斑とも呼ばれます。淡褐色から濃褐色で、顔、手、背、前腕、上背などの露出部に多くみられます。中年以降に増え、主に紫外線が原因とされます。
主な原因:紫外線
見分けるポイント:よく紫外線をあびているかどうか

②雀卵斑(じゃくらんはん)
ソバカスのこと。直径数ミリより小さいの丸い斑点のような茶褐色の小さな斑点。頬や鼻の周りなどに多く出ます。遺伝性が強い。思春期に目立つようになります。
主な原因:遺伝
見分けるポイント:小さいころからあるかどうか、家族にもあるかどうか

③炎症後色素沈着
やけど、ニキビ、化粧品かぶれなど、肌の炎症が治った後にできる褐色のシミのことです。年齢や性別、場所に関係なくできます。時間とともに徐々に薄くなることが多い。
主な原因:やけど、ニキビ、かぶれなどの炎症
見分けるポイント:炎症を起こした覚えがあるかどうか

④肝斑(かんぱん)
女性の顔に多く生じるシミ。妊娠や経口避妊薬などにより悪化するので、女性ホルモンが関連しているといわれています。紫外線で少し悪化します。薄い褐色でやや大きく、頬骨に沿って左右対称にできるのが特徴的です。高齢者ではほとんど見られません。レーザー治療をするとで悪化するといわれています。
主な原因:ホルモンバランス
見分けるポイント:30~40歳代かどうか 左右対称で目のまわりは避けてあるかどうか

このほか、雀卵斑や肝斑によく似ている、後天性真皮メラノサイトーシスというあざなどもあります。

【シミの原因としくみ】

皮膚は、一番外側の表皮と、その内側にある真皮からできています。表皮がシミに深く関わっています。表皮はケラチノサイト(表皮細胞)と表皮の一番下にあるメラノサイト(色素細胞)などから構成されています。紫外線を浴びるとチロシナーゼ酵素が活発になり、メラノサイト内でメラニンという色素が生成されます。それがケラチノサイトに受け渡され、紫外線から細胞核を守ります。

皮膚の細胞は、通常約6週間周期で新しい細胞に生まれ変わります。ターンオーバー(新陳代謝)を繰り返します。基底層にある細胞が分裂、皮膚表面に押し上げられ、最後は表面からはがれていきます。アカがはがれ落ちるようなものです。紫外線を浴びて作られたメラニンも、約6週間サイクルで、古い細胞とともにはがれ落ちていきます。

さまざまな原因で、メラニンが過剰に作られると、ターンオーバーのサイクルが乱れて新陳代謝が滞ります。本来はがれ落ちるはずのメラニンも、そのまま滞って色素沈着、シミとなってしまうのです。

シミができる主な原因は紫外線。長年紫外線を浴び続けることで肌がダメージを受け、皮膚細胞の再生能力が低下し、メラニンを外に排泄する力が弱くなります。たばこやストレスは老化を促す原因の一つである活性酵素を増やし、この活性酵素がメラノサイトを刺激してメラニンの過剰産生を起こしやすくします。不規則な生活や過労などで血行が悪くなっても、メラニンの排出が遅れます。

シミを長年放置したままにしておくと、イボ状に隆起し、老人性のイボに進展することがあります。また、長年紫外線を浴び続けて光老化がすすむと、皮膚がかさかさしたうろこ状、またはかさぶたのようになることがあります。これは日光角化症といい、まれに皮膚癌の元になることもある病変です。

思わぬ病気が潜んでいることもあります。シミに似た症状が出る病気として、「表在型基底細胞癌」「悪性黒色腫(悪性黒子)」などの皮膚癌、体内に摂取された薬剤によってできる「固定薬疹」、「ボーエン病」などがあります。

胸・腹・背など、日光に当たらない部位に発生する、シミの中にただれができる、徐々に盛り上がってきた、発熱を伴うなどの症状が出てきたら、すぐに専門医を受診しましょう。

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鍼灸マッサージ師をしています。
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