年末年始はアルコールに気をつけて

【飲酒も生活習慣病の原因に】

アルコールの摂取は、最初に脂肪肝という症状が現れます。体内でアルコールがもっとも影響を受けるのは、肝臓です。肝臓はアルコールを分解し、余ったエネルギーを中性脂肪として蓄える役割を果たしています。しかし、アルコールの摂取量が過剰になると、摂取したエネルギーが消費するエネルギーを上回るため、余ったエネルギーは肝臓に運ばれて中性脂肪になります。そして、これがどんどん肝臓に蓄積され、脂肪肝を引き起こします。

脂肪肝の初期段階では症状がほとんどなく、そのまま飲酒を続けるとアルコール性肝炎に進行し、更に飲み続けると治療が困難な肝硬変へと進行します。肝臓は「沈黙の臓器」とも言われており、通常は自覚症状が現れないため、定期的な健康診断などで早期に発見することが重要です。脂肪肝は飲酒によって引き起こされる場合、短期間の禁酒により改善することも可能です。

お酒を過剰に摂取することは、生活習慣病のリスクを高めることになりますので、注意が必要です。例えば、お酒を飲む際に高カロリーな食べ物を一緒に摂取してしまうことで、肥満の原因になることがあります。飲み物と一緒に摂取する高カロリーなつまみによって、摂取カロリーが過剰になりがちです。

さらに、長期間にわたって飲酒を続けることは、血圧を上げることや高血圧につながる可能性があります。アルコールの作用や代謝によっても血糖値に影響を与えるため、糖尿病のリスクも高まります。過度なお酒の摂取は、生活習慣病を引き起こすことにつながるため、注意が必要です。以上のことから、お酒の摂取には適度な節度を持って行うことが重要です。

【節度ある飲酒習慣を】

適切な量を守り、肝臓への負担を軽減するために、休肝日を設けましょう。
適度な飲酒とは、1日平均で純アルコールを20g程度に抑えることです(健康日本21による)。一般的には、「ビールなら中ビン1本」「日本酒なら1合」といった量が目安となります。同様に、「チューハイ(7%)なら350mL缶1本」「ウイスキーならダブル1杯」なども相当します。また、肝臓がいつも頑張って働いているので、週に2日は休肝日を設けてリラックスさせることが重要です。

眠りの質を高めるためにも、寝る前のお酒は避けましょう。アルコールの摂取は睡眠を浅くしてしまうことがあります。また、心配事や興奮状態のときは、飲み過ぎる傾向があるため、できるだけ控えるようにしましょう。また、薬を服用している場合も、アルコールの摂取は避けるべきです。

お酒を楽しむ際は、食事と一緒に適量を摂ることが一番大切です。お酒は麦や米などの原料から作られており、糖質などの栄養素を含んでいますが、「エンプティカロリー」とも言われ、栄養成分はほとんど含まれていません。ですから、適度な量のタンパク質や糖質、野菜をバランスよく摂りながら、お酒を楽しむことをおすすめします。カロリーを抑えた料理としては、冷奴や枝豆、刺身や低脂肪のお肉、ゆでまたは蒸し野菜などが良いでしょう。

ウイスキーや他の高アルコール度数のお酒は、水で割って飲むと体への負担を軽減することができます。ただし、様々な種類のお酒を飲み比べる「チャンポン」は、味が変わることでお酒の量が増えてしまう傾向があるため、注意が必要です。

【飲みすぎは毒】

急性アルコール中毒は非常に危険です。特に年末年始など、お酒を飲む機会が増える時期には注意が必要です。できる限り適量を守り、飲みすぎや飲み方には細心の注意を払いましょう。大量のお酒を一気に飲み干したり、一気飲みをするような行為は急性アルコール中毒を引き起こす可能性があります。この状態では意識レベルが低下し、嘔吐や呼吸の悪化といった症状を起こすことがあり、最悪の場合は命に関わることもあります。

また、アルコールの分解能力は人によっても日々の体調によっても異なるため、自分の体調やペースに合わせて飲むことが重要です。飲みすぎると、帰宅途中で転んだり、酩酊して周囲の人とトラブルを起こす可能性もありますので、お酒によるけがにも十分注意しましょう。

アルコールは、依存性のある嗜好品であると同時に、様々な健康問題を引き起こすことでも知られています。継続的に飲酒を行うと、同じ量のお酒では以前ほど酔わなくなり、だんだんと飲酒量が増えていくことがあります。これは、「酔い」を追求していく結果です。さらに、お酒への欲求が高まり、飲み方をコントロールできなくなることもあります。また、お酒を摂取しなくなると、不眠、発汗、手足のふるえ、不安感、いらいら感など、いわゆる「離脱症状」と呼ばれる症状が現れることがあります。

アルコールの摂取過多は、肝臓以外にも膵臓や脳・神経といった様々な臓器に悪影響を及ぼします。また、飲酒による体調不良によって仕事を遅刻したり、欠勤したりするなど、生活の面でも影響を与える可能性があります。さらには、家族との信頼関係が崩れ、関係がギクシャクしてしまい、結果的にストレスや緊張感が生まれることもあります。これにより、さらにお酒の量が増えてしまい、最終的には社会生活に適応できなくなることもあります。

お酒の飲みすぎには注意が必要です。自分自身の健康や社会的な関係性を守るためにも、適度な摂取量を守るように心掛けましょう。

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この記事を書いた人

鍼灸マッサージ師をしています。
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