「ロコモティブシンドローム」に次いで、加齢とともに筋肉の量が減少する状態である「サルコペニア(老化による筋肉減退現象)」という言葉が広く認識されるようになりました。日本の超高齢化社会において、ロコモティブシンドロームやサルコペニアは、要介護状態に至る大きな要因とみなされています。
さらに、サルコペニアに肥満が付随する状態である「サルコぺニア肥満」は、関心を集めています。この状態では、筋肉の量が減少し脂肪が増加しており、身体的な障害や生活習慣病のリスクが高まると考えられています。
サルコペニアだけでも、身体機能の低下や心血管リスク、代謝への影響が指摘されていますが、複数の研究によると、サルコぺニア肥満のリスクがさらに高まると報告されています。
太り気味になった体をリセットして、サルコぺニア肥満を防ぎましょう。
【サルコペニア肥満】
筋肉量の低下を指すサルコペニアという言葉は、1989年にIrwin Rosenbergによって生み出されました。この言葉は、ギリシャ語で筋肉を意味する「sarx」と喪失を意味する「penia」を組み合わせたものです。したがって、年齢とともに筋肉量が減少する状態をサルコペニアと定義します。
一方、サルコペニア肥満とは、サルコペニアと肥満が同時に存在する状態のことを指します。この状態は、身体的な障害や生活習慣病のリスクを増加させる可能性があります。研究によると、サルコペニア肥満の方がメタボリックシンドロームよりも死亡リスクが高いという指摘もあります。