もしも、ペットとふれあった後に、前述の感染症と関連がある症状が出てしまい、医療機関へ受診する際には、必ずペットを飼っていることを医師に伝えてください。そうすることで、適切な治療法を受けることができる可能性が高まります。
しかしながら、このような感染症が発生する確率は低いです。だからといって、過度に心配する必要はありません。ペットとの生活を楽しむ上で、適切な予防策を講じながら気軽に過ごしましょう。感染症を予防するための主な方法です。
【ペットとの濃厚な接触は避ける】
ペットとの親密な接触には、口移しでエサを与える、食器を共有する、キスをするといった行為が含まれますが、これらはペットの口の中に存在する菌に感染する可能性があるため、リスクがあるということを覚えておくことが重要です。同様に、ペットと一緒に布団で寝たり、ペットの毛に顔をうずめるといった濃厚接触も避けた方が良い行動であることを理解しておきましょう。なぜなら、ペットの毛には感染症を引き起こす可能性がある菌が付着している場合もあるからです。
そして、ペットに触れた後は必ず、流水で手を洗うことを心がけましょう。触れたペットの毛や唾液には、感染症の原因となる菌が潜んでいる可能性があるため、触れた後に口や目、傷口などに触れることで感染リスクが高まる可能性があることに留意してください。
【衛生的に飼う】
ペットの健康を考える上で重要なのは、爪切りや毛づくろいといったお手入れを定期的に行うことです。例えば、イヌやネコが自然の中に入った際には、帰宅後すぐにマダニがついていないかを確認することが必要です。虫除けや忌避剤の使用も、ペットの生命を守るために欠かせません。
また、ペットが過ごす環境も清潔に保つことが大切です。特に、室内で飼っている鳥の場合は、鳥かごの掃除を毎日欠かさず行うことが不可欠です。鳥の糞は乾燥すると空気中に菌が舞い、人が吸い込んでしまうリスクがあるため、迅速な対応が求められます。換気も頻繁に行うことで、空気の質を維持することができます。さらに、水槽でカメを飼っている場合も、水の交換と洗浄をこまめに行うことが重要です。
犬を飼う場合、日本の法律では、毎年1回の狂犬病予防接種の接種が義務付けられています。狂犬病は、感染するとほぼ100%の確率で命を落とす危険な動物由来の病気です。日本国内では1957年以降、狂犬病の感染例は確認されていませんが、海外で犬に噛まれて感染し、その後日本に入国して症状が出て命を落とす事例が報告されています。世界的に見ても、狂犬病のない国は稀であり、国内に持ち込まれた場合に感染が広がらないよう、年間を通じて予防接種を受けることが重要です。