高齢者は一般的に、社会的、心理的、身体的な損失を多く経験する年齢であり、それはたとえば定年退職、配偶者の死、身体機能の低下などです。これらの損失によって抑うつ状態に陥ることがあり、その結果、笑顔が減り、否定的な考えが増えることがあります。その結果、笑う機会も失われることがあります。
しかし、笑うことは気分をリフレッシュさせ、前向きな意見や気持ちを持つ高齢者が多いという研究データも存在します。笑いは、気持ちや感情をポジティブな方向に変えるのに役立つとされています。
さらに、大阪府立健康科学センターが実施した笑いの頻度と認知機能の関係についての横断的および縦断的研究によると、「毎日笑う人」と「笑わない人」を比較した結果、後者のグループでは1年後の認知機能の低下がより大きい傾向があることが報告されています。
多くの研究が、笑うことが脳に与える影響に注目しており、これが認知症予防につながる可能性があると考えられています。ただし、よく笑う人が必ずしも認知症にかかるリスクが低いという訳ではなく、さらなる研究が必要とされています。
要するに、笑うことは高齢者にとって健康的で長寿につながるということが、身体的・精神的側面から確認されています。