冬場の入浴の危険

室内と屋外の温度差を少なくすることがヒートショックを防ぐのに効果があるかという問いに対して、実際にそうとは言えません。自宅にいても、冬場における入浴は潜んだ危険を孕んでいます。

暖房の効いたリビングルームと浴室では、かなりの温度差が生じます。浴槽から立ち上がる湯気が少ない脱衣所では、温度差が一層広がる可能性があります。例えば、急に脱衣所に入り、服を脱いだ場合、急激な温度変化が身体に襲い掛かるでしょう。素足で、冷たい浴室の床に触れることも危険です。こうした急激な血圧の上昇により、脳卒中や心筋梗塞、心臓発作を引き起こす可能性があります。高血圧や動脈硬化のリスクがある人々は、特に慎重でなければなりません。また、高齢者の場合は、家族や周囲の人が一層気を配る必要があります。

実際、およそ1万7000人もの人々が、年間を通じて入浴中に起きる急死をヒートショックに関連して推定されており、その内1万4000人前後が高齢者であると考えられています。さらに、入浴中の事故死は主に冬季に発生し、全体の約半数が12月から2月にかけて起こっています。更に、入浴中の事故死と気温の関連性について報告があることも注目されます。

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