生体リズムの乱れが体に不調を引き起こす主な原因は、体内時計が担う重要な役割にあります。
私たちの体には、脳に位置する「親時計」と、全身の細胞に存在する「子時計」という2種類の体内時計が存在します。これらは自律神経やホルモンを通じて連携し、以下のような働きをしていると考えられています。
- 自律神経のバランスを調整する
- ホルモンの分泌を調整する
- 免疫力を高める
それぞれの体内時計を持つ細胞内には、複数の「時計遺伝子」が存在し、互いに作用することで正確なリズムを刻んでいます。しかし、不規則な生活が続くと、これらの時計遺伝子に異常が生じ、体内時計が狂ってしまいます。その結果、食欲を抑制するホルモンや促進するホルモンの分泌に異常が生じ、メタボリックシンドロームや糖尿病といった生活習慣病、さらにはがんやアルツハイマー型認知症などの疾患リスクを高める可能性があるのです。