冷え症は、西洋医学で明確な病気として定義されているわけではなく、多くの場合、ご本人が感じるつらさや不快感を指します。寒い環境では、手足の末端への血流が滞り、冷えを感じやすくなりますが、冷え症の方にとっては、その冷えが日常生活に支障をきたすほどに感じられるのです。
冷え症の改善には、日々の入浴で血行を促進することが効果的です。就寝の1~2時間前に、40℃程度の少しぬるいお湯に、肩までしっかりと15分ほど浸かるのがおすすめです。
もし、ぬるめのお湯では温まった気がしないという方は、最後に42℃~43℃の熱めのお湯で短時間追い焚きをすると、「温まった」という満足感が得られやすくなります。この「温まった」という感覚が、冷えの改善につながります。ただし、最初から熱すぎるお湯に入ってしまうと、体が急激に体温を下げようとするため、湯上がりの温熱効果が持続しにくくなります。
すでに湯船に毎日浸かっている方には、手足の血流を促し、自律神経のバランスを整える「プチ温冷交代浴」もおすすめです。これは、40℃のお湯に3分ほど浸かった後、一度湯船から出て、手足に30℃程度のぬるま湯を30秒ほどかけ、再び湯船に浸かるという方法を3回繰り返します。