毛細血管の役割

全身の隅々まで張り巡らされた毛細血管は、心臓から送り出される動脈と、心臓へ戻る静脈という2つの太い血管をつなぐ、非常に細い血管です。その内径は、わずか5~10μm、これは髪の毛の太さの20分の1ほどに過ぎません。

動脈は、酸素や栄養を豊富に含んだ血液を全身の臓器や組織へと運び出すパイプラインであり、一方の静脈は、二酸化炭素や老廃物を含んだ血液を再び心臓へと戻す役割を担っています。そして、この動脈と静脈の間で、物質の受け渡しを行うのが毛細血管です。具体的には、動脈から届けられた酸素や栄養を全身の細胞一つひとつに届け、細胞から排出された二酸化炭素や老廃物を回収して静脈へと引き渡します。この繊細な働きによって、私たちの体の内部環境は常に最適な状態に保たれているのです。私たちが口にする薬の成分も、毛細血管を通って必要な場所へと届けられます。

血液は、赤血球、白血球、血小板といった細胞成分と、液体成分である血漿から構成されていますが、毛細血管は、この血漿中の様々な成分を組織へと供給する役割を担っています。同時に、組織で不要になった液体の約8割を回収し、細胞や組織が過剰な水分で満たされるのを防いでいます。これは、細胞や組織が酸素や栄養を効率よく受け取るために重要な仕組みです。残りの2割の液体はリンパ管が回収しており、リンパマッサージがむくみの改善に役立つのは、リンパ管の働きを助けるためです。

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鍼灸マッサージ師をしています。
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