夏バテ対策の入浴法

夏に感じるだるさや不調は「夏バテ」と呼ばれ、その主な原因は自律神経の疲れにあります。夏は、蒸し暑い屋外とエアコンの効いた室内との間に大きな温度差が生じます。この急激な温度変化に対応するため、体温調節を担う自律神経、特に交感神経が活発になりすぎることで、体が疲弊してしまうのです。

夏場はシャワーで済ませてしまいがちですが、夏バテの予防や回復には、できるだけ毎日、湯船に浸かることをおすすめします。その際、効果的な入浴法があります。

まず、37〜38℃前後のぬるめのお湯、いわゆる「不感温浴」で、20分間の全身浴を試してみましょう。この体温と同じくらいの温度は、体に最も負担が少なく、リラックス効果を高めます。これにより、交感神経の過剰な興奮が抑えられ、心身が落ち着きます。入浴による体温の上昇も緩やかなので、湯上がり後に汗だくになることもありません。

この入浴法に炭酸系の入浴剤を併用すると、さらに効果が高まります。炭酸の血管拡張作用により、ぬるいお湯でも血行が促進され、全身の細胞に栄養が行き渡ることで疲労回復が促されます。また、炭酸には、実際の温度よりも温かく感じさせる効果もあるため、快適に入浴することができます。湯船に浸かること自体にもメリットがあり、浮力によって筋肉の緊張が和らぎ、水圧で下半身の血液やリンパの流れが良くなる効果も期待できます。

普段はシャワーしか使わない方も、せめて週末だけでも湯船に浸かると、夏バテの症状が和らぐのを感じられるでしょう。夏バテの予防や回復のために、意識的に湯船での入浴を取り入れてみてください。

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鍼灸マッサージ師をしています。
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