「人の名前が、喉まで出かかっているのに思い出せない」。そんな経験、誰にでもありますよね。私たちが何かを思い出そうとする時、脳の前頭葉から記憶の貯蔵庫へ信号が送られます。この信号が弱くなったり、その回路が途切れてしまうことが「物忘れ」の主な原因。情報が脳から消えてしまったわけではありません。
「物忘れは年のせい」と諦めていませんか?実は、最近の研究で、脳は大人になってからも成長し、鍛えることで活性化できることがわかってきました。これまでの「加齢とともに脳細胞は減少するばかり」という常識は覆され、年齢に関係なく脳は若々しく保てるのです。
物忘れを防ぐには、脳の司令塔である前頭葉を鍛えることが鍵です。イメージトレーニングと運動が有効です。
イメージトレーニングで最も手軽なのが、料理です。完成した料理を頭の中で思い描きながら食材を買い、実際に調理して、想像した味に近づける。この一連の流れが前頭葉を刺激します。また、朝起きた時に一日の仕事の流れをざっとイメージするのも効果的です。声に出したり、メモを取るとさらに良いでしょう。
運動では、散歩も前頭葉を活性化するのに役立ちます。木々や風の匂い、手触りなど、五感をフル活用しながら歩くのがポイントです。いつもと違う道を歩いてみるのも良いです。