感染症予防にうがい

「うがいしなさい」―玄関を開けると聞こえてくる、季節を問わないお母さんの声。これは、私たちの家庭でよく見られる風景です。風邪予防の三種の神器とも言える手洗い、マスクと並んで推奨されるうがいの習慣。その起源を辿ると、平安時代には既に、口の中をきれいにするための方法として実践されていたことがわかっています。約千年の長きにわたって受け継がれてきた習慣ですが、その有効性がデータで示されたのはごく最近のことです。

近年の調査データによると、「特別うがいをしていない人」と比較して「水うがいを習慣にしている人」は、風邪の発症率が4割も低いという結果が発表されています。うがいのメリットは、口内を洗い流すことに留まりません。のどを潤すことで、ウイルスやバクテリアを体外へ押し出す役割を持つ線毛運動の機能低下を防いでくれる効果があると言われています。

それでは、正しいうがいのステップをご紹介しましょう。重要なポイントは、のどより先にまず口を洗うことです。まず水を含み、口の中で強めに「クチュクチュ」と動かして、食べ物の残りや汚れを吐き出します。次に、顔をしっかりと上に向けて、水をのどの奥まで行き渡らせるように「ガラガラ」と15秒ほど行います。最後に、この「ガラガラ」をもう一度繰り返して終了です。

ちなみに、「うがい」の言葉は、鵜が飲み込んだ魚を吐き出す様子の「鵜飼(うかい)」に由来しています。口臭予防や虫歯対策としても期待されるうがい。家に着いたら、くつろぐ前に、この効果的な方法でのどのケアを忘れずに行いましょう。

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鍼灸マッサージ師をしています。
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