シックハウス症候群の対策として、生活環境中の化学物質や原因物質を極力低減することが重要です。これまでの研究からも、化学物質が少ない環境は、心理的なリラックス効果にもつながる可能性が示唆されています。完全に化学物質を避けるのは困難ですが、新築を計画する際は、ハウスメーカーや専門家と協力し、低減策を講じるのが賢明です。また、「自然素材の家は安全」という見方もありますが、木材などの天然素材にも化学物質は含まれており、これらの成分に敏感に反応する人もいることを認識しておく必要があります。
シックハウス症候群は、建材由来の化学物質のみならず、複数の要因が複雑に絡み合って発症するため、必ずしも住居の建て替えや転居が必要というわけではありません。特にお子さんのいるご家庭では、日常的な対策が非常に重要になります。子供は、体重比で成人に比べて呼吸量が多いため、化学物質の影響をより強く受けやすい傾向にあるからです。
