DHAとEPA

日本人は欧米人と比べて食塩の摂取量が多く、高血圧の有病率が高いため、脳卒中を発症するリスクが高いとされています。しかし一方で、血清コレステロール値が比較的低いことから、狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患の発症リスクは低い傾向にあります。この理由の一つとして、血清コレステロールを増やす飽和脂肪酸を多く含む肉類を多食する欧米人に対し、日本では魚を多く食べる食習慣があるからだと考えられています。さまざまな研究において、魚に含まれるDHAやEPAには、血栓を溶かす作用や中性脂肪の低下作用が認められ、動脈硬化の抑制に効果があることが報告されています。かつてグリーンランドのイヌイット人が魚を常食とすることで血管障害が少ないという話は有名ですが、DHAやEPAの健康効果については世界中で多くの研究が発表されており、米国のハーバード大学の研究では、脂肪の多い魚を週に2皿食べるだけで死亡率を低下させるという報告もあります。DHAとEPAは、体内で作り出すことができないオメガ3(n-3)系脂肪酸の一種で、「必須脂肪酸」と呼ばれており、食事から摂取する必要があります。厚生労働省の指導によると、DHAの摂取目安量は、30~40代の男性で1日2.0g、女性で1.6gなどと定められています。

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