【入浴の7大効果】
暑い夏はシャワーを浴びるだけで湯船にはつからないという人も多い季節。 とてももったいないことなんです。湯船につかる入浴には、シャワーだけでは得られない多くのメリットがあります。
1 血流改善
体が温まり血管が拡張し、血流が改善。新陳代謝もアップ。また、温めることで神経の過敏性を抑えられる場合もあります。神経痛など慢性的な痛みの軽減や、筋肉の収縮による肩こりをほぐしたりする効果が期待できます。ただし、片頭痛がある時やぶつけたばかりの打撲の時は避けましょう。
2 むくみなどの改善
湯船につかると体に水圧がかかります。体の表面、皮膚の下の血管なども圧力が加わります。その圧力によって手足などの末端にたまった血液が心臓へと押し戻され、血流やリンパの流れを改善、むくみなどの改善効果が期待できます。
3 浮力作用
水中では浮力によって体重が10分の1程度になります。重力から解放され、体が軽くなることで、関節や筋肉の緊張が緩み、リラックス効果が期待できます。
4 清浄作用
湯船につかることで全身の毛穴が開き、余分な皮脂が流れ出ます。
5 蒸気作用
お湯の蒸気で鼻やのどなどの粘膜に湿り気が与えられ、乾燥予防につながります。
6 粘性・抵抗性作用
水中で体を動かすと、陸上よりも体に負荷がかかります。湯船につかりゆっくりストレッチなどをすると、筋肉に刺激を与えます。
7 解放・密室作用
浴室という密室空間で湯船につかることにより心と体が解放される感覚を味わえます。
【疲労回復には40℃10~15分、全身浴】
1 お湯の温度は40℃前後に
「ちょっとぬるい」と感じる温度ですが、年齢や体力に関係なく、のぼせやヒートショックなどの体調不良を起こしにくいという報告がされています。
2 肩までつかる全身浴
静水圧と浮力の作用による効果は、肩までつかることでより得られやすくなります。温熱効果も高まり、血流アップにも効果的です。いきなりつかるのではなく、掛け湯で体をお湯に慣らしてからつかることが大切です。高齢者や持病がある場合は主治医に相談しておきましょう。肩までお湯につかると息苦しさを感じる場合は無理せず半身浴で。
3 湯船につかる時間は10~15分でOK
40℃前後のお湯に10~15分程度つかるだけで、十分に体は温まり、血液の循環も良くなります。顔や額が汗ばむくらいを目安の一つにすると良いでしょう。心臓や血管、呼吸器に疾患がある場合は、少しでも息苦しさを感じたら湯船から出て休むようにしてください。
【快適に入浴して健康を保つコツ】
もう少しぬるめのお湯につかりたい場合は、体温よりやや高めの38℃前後のお湯にゆっくり20分程度つかると良いでしょう。泡が出る炭酸ガス系入浴剤もおすすめです。炭酸ガスには血管を拡張させ、血流量を増やす作用があるため、お湯の温度が低くても効率よく血流を改善する効果が期待できます。
湯船につかったほうがいいことは分かっているけれど、疲れてお湯を張るのも面倒という日は、バスタブや大きめの洗面器などにくるぶしがつかる程度までお湯をためて、足湯をしながらシャワーをするとよいでしょう。足湯は、シャワーだけでは得られない温熱効果によって、疲れがより取れやすくなります。
【脱水症状や熱中症を防ぐには】
夏の入浴は脱水症状に陥ったり、浴室で熱中症を起こしたりしないよう気をつけることも重要です。脱水症状の予防には、入浴する前にしっかり水分補給をしておくことが大切です。1回の入浴で約800ml脱水することから、コップ1~2杯分(150~300ml)の水分を摂ってから入浴しましょう。入浴後も必ず水分補給をしましょう。
浴室での熱中症のリスクは、浴室内の湿度や温度が上昇することで高まります。窓があるなら少し開けて空気を入れ替える、換気扇があるなら入浴中も回すなどの対策をとりましょう。
湯船につかっていて、頭がぼーっとしてきたり、眠気を感じたりしてきたときには軽い熱中症にかかっている可能性があります。気が付いたらすぐに浴室から出て水分を補給し、体を休めましょう。
【体と浴室を常に清潔に】
夏の浴室はカビが繁殖しやすい季節。掃除をこまめに行い、常に衛生的に保ちましょう。食用の重曹、大さじ2杯分を入浴剤代わりに湯船に入れると、湯垢などの汚れが浴槽に付きにくくなり、付いた汚れも取れやすくなります。重曹には皮膚の古い角質を落としやすくする、余分な皮脂の汚れを除去するといった効果もあるため、肌も浴槽も清潔に保つことができます。