ふくらはぎケアで血流をアップ

デスクワークや在宅勤務で座りっぱなしの時間は増える一方の方。夕方になると脚がむくむ、肩がこる、疲れがたまる。座りっぱなしで動かないと、血流が悪くなり、代謝も低下して、不調のスパイラルにはまります。手軽にできる改善策がふくらはぎのケアです。

【ふくらはぎは第2の心臓】

なんとなくすっきりしない、むくみやすい、肩がこる……そんな状態が続くようなら、血流が悪くなっているのかもしれません。夏本番を迎え、運動しにくい季節、このような状態に拍車がかかっている人に、ふくらはぎのケアをおすすめします。

ふくらはぎは体の一番下にあり、心臓からとても遠い位置にあります。体中に血液を巡らせるには、このふくらはぎから心臓へ、つまり下から上へと血液を返さなくてはなりません。通常、ふくらはぎの筋肉がポンプとなって、血液を押し上げます。なので、ふくらはぎは「第2の心臓」といわれることもあります。座りっぱなしで動かなくなると、このポンプの働きが弱り、むくんだり冷えたりする原因となってしまいます。

【ふくらはぎの状態チェック】

ふくらはぎの状態をチェックしてみます。いくつ当てはまりますか。

・両手の親指と人さし指で輪を作ると、ふくらはぎが入る
・ぶよぶよ、ふにゃふにゃしていて柔らかい
・ふくらはぎを指で押して離すと、指の痕が3秒以上もどらない
・血管がぼこっと浮き出ているところがある
・手のひらで触ると冷たく感じる

ひとつでも当てはまったら、以下にご紹介する、お手軽ふくらはぎケアを試してみてください。

【お手軽ふくらはぎケア】

1.ふくらはぎをもんだり、温める

一番手軽な方法は、ふくらはぎをもみます。ふくらはぎをもむと、ポンプ機能のサポートとなり、全体の血流が良くなります。下から上へともむと良いですが、もむだけでも効果が期待できます。お風呂でもめば、より効果的。水分ですべりが良くなってもみやすい上、湯船につかりながらもめば、水圧や温熱による血流改善効果も期待できます。手も動かすので、上肢の末端の刺激にもなって一石二鳥です。

2.ツボ押し
ひざ外側からすねの骨に沿って指4本分下に、「足三里」というツボがあります。ここは胃腸の不調、むくみ、足のトラブルなどに効くとされている場所です。このあたりで「イタ気持ちいい」ところを探して押してみましょう。ふくらはぎをもむ際に、併せてツボを刺激することで、ツボ押し効果を期待できます。足三里はお灸をすえるのもおすすめです。今は貼るタイプの手軽なお灸なども市販されています。

3.足を動かす
足を動かして筋肉を鍛えるのも、効果の高い方法です。歩くことはしっかり筋肉を使うので、とても良い方法ですが、立ったまま室内でも手軽にできる、かかとを上げ下げをこまめに行うのも効果的です。ふくらはぎを構成する大きな筋肉である「ヒラメ筋」を動かすことになり、ポンプ機能を強化します。

座ったままひざから下を動かすだけでもOKです。かかとを床に付けたまま、つま先を上げ下げすると、すねのあたりの筋肉、前脛骨筋を鍛えることができて、血流促進に役立ちます。

このほか、たんぱく質をしっかりとることも大切です。筋肉の材料となりますし、むくまないためにも必要です。たんぱく質が足りないと血中のアルブミンという成分が少なくなります。血管内にアルブミンが十分にあると水分が保持されますが、少ない場合は、浸透圧の原理で水分が血管外に出てしまい、むくみにつながります。診療時などにふくらはぎのむくみ具合を確かめると、たんぱく質の摂取具合がおおよそ分かります。たんぱく質が足りないと、へにゃっと柔らかいむくんだ状態になっています。

むくみ対策としての、市販の着圧ストッキングの利用、着けているときは楽になるかもしれませんが、ずっと圧迫し続けるのはむしろ血行不良のもとになってしまいます。外出時だけ、短期的に、使うのは良いですが、帰宅後のリラックスタイムは脱ぐなど、適度な利用をこころがけることをおすすめします。なお、浮腫対策などの、治療目的の着圧ストッキングはこの限りではありません。医師の指示に従って使ってください。

血管が浮き出ている場合、それは下肢静脈瘤の可能性も考えられます。早めに医療機関で診察を受けてください。

ふくらはぎのケアは、いつでもどこでもできる手軽なものです。テレビや映画を観ているときなど、ながらでできます。ぜひ、取り入れてみてください。

【ふくらはぎの治療(当院の場合)】

ふくらはぎの緊張は、うつ伏せでチェックを行います。ヒラメ筋より表層にある腓腹筋に緊張があると、肩こりや腰痛、全身のだるさにもつながります。鍼をすると緊張が抜けるため、筋ポンプ機能の改善になります。むくみ防止にも効果があります。むくみが気になる方には、遠心性のマッサージで、溜まり気味な体液をリンパ管に流れていくようにしています。

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この記事を書いた人

鍼灸マッサージ師をしています。
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