脳卒中は大きく分けて脳梗塞と、脳出血(くも膜下出血)があります。脳梗塞は夏に多く、脳出血は冬に多いとされています。夏の脳梗塞の予防のための、脳梗塞の発症要因と予防方法です。
【脳梗塞とは】
脳卒中の60%を占めるとされる脳梗塞は、脳へ、栄養や酸素を運んでいく血管が詰まり、その血管よりも先にある細胞が死んでしまう病気です。発症後の治療で一命を取りとめても、重度の後遺症が残る人も大勢います。このため、脳梗塞は、脳梗塞にならないための予防対策が大事です。
【脳梗塞が夏に多い理由】
脳梗塞は血管が詰まることで起こります。血栓という血の塊が血管内で詰まるため発生します。夏は大量の汗をかくため、体が水分不足の状態になりやすく、水分不足になると血液がドロドロになって血栓ができやすくなり、血管も詰まりやすくなります。
若くて、健康な状態であれば大事にいたることはあまりないのですが、高齢者や血圧降下薬などを使っている人は血液の流れが悪くなりやすいため、血栓ができやすく、脳梗塞のリスクも高くなります。
【夏の脳梗塞の予防】
夏の脳梗塞を予防するためには、血液をドロドロにしないことが大事です。脱水状態を避けるために、汗をかいたときはもちろんですが、汗をかいてないときもこまめに水分を補給します。特に次のときには意識して水分をとります。
・朝、起きてすぐ
・外に出かける前
・運動中
・入浴の前後
・眠りにつく前
血栓予防のためには、動脈硬化にならないよう、生活習慣を見直します。適度な運動、禁煙、お酒を飲みすぎないこと、塩分・糖質・カロリーは控えめにする、などを心がけます。
【救急車を呼ぶとき】
・左右どちらかの手足に力が入らない、または、半身がしびれる
・ろれつが回らない、言葉が出てこない
・物が二重に見える、ふらついて歩けない
・重いめまい、激しい頭痛
このような症状は一過性脳虚血発作という、脳梗塞の前触れの発作の可能性なのです。一過性脳虚血発作は、血栓が一時的に血管を詰まらせて起こる発作です。血栓が小さいため発症から数分~数十分程度で症状が落ち着いてしまうので放置されることもありますが、このまま放置すると脳梗塞に移行する危険性が高い状態を継続することになってしまいます。これらの症状が現れたときは、すぐに救急車です。
【脳梗塞予防にこまめに水分補給】
夏は汗をかきやすく、血液がドロドロになって血栓ができやすい季節です。汗をかいていないときでも水分をしっかりとり、動脈硬化予防のためにバランスの良い食生活や適度な運動を続けましょう。