心地よい自律神経バランスでストレス解消

自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの異なる働きをする要素からなります。心身の健康を維持するためには、これら2つの要素が「バランスよく」働いていることが重要です。しかし、睡眠不足や不規則な食事、ストレスなどの要因によって生活が乱れると、自律神経のバランスは簡単に崩れてしまいます。ですから、自律神経の働きについて意識しながら日々の生活を過ごすことが大切です。

【生活の中で上手にスイッチを切り替えるには】

自律神経は、身体が活動している時にアクセルの役割を果たす「交感神経」と、休息やリラックスのときにブレーキの役割を担う「副交感神経」という2つの主要な要素で構成されます。交感神経と副交感神経は全身の臓器に影響を与え、体の調整を常に行っています。心身の健康を保つためには、これらの要素のバランスが重要です。

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状態は様々で、例えば、緊張状態が続く場合、交感神経が優位になります。一方、疲れて何もしたくない状態が続く場合は、副交感神経が活発に働きます。自律神経のバランスは状況によって変化するため、ストレスなどによる緊張状態が長く続くと、自然な切り替えが難しくなります。特に女性の場合、女性ホルモンの変動も影響を与えることがあります。

対処法として、ストレスや不安を感じたときに交感神経の興奮を抑える方法を事前に用意しておくことが重要です。これには、好みの香りのバスソルトで入浴する、友人と電話をする、好きなドリンクを飲みながら映画を観るなど、個人に合ったリラックス方法を見つけることが効果的です。さまざまな手段や選択肢があれば、自律神経の切り替えがスムーズになる可能性があります。

【自律神経を整える第一歩】

自律神経を整えるためには、生活のリズムを整えることが重要です。睡眠、食事、運動、仕事、休養などの日々の活動をルーティンで行うことで、自律神経の中枢である脳の視床下部に過度の負担がかかりません。深夜まで仕事をする夜型の生活習慣や不規則な生活は、自律神経のバランスを崩すだけでなく、体内時計のリズムも乱してしまいます。規則正しい生活習慣を心がけ、特に就寝時間と起床時間を一定に保つことが重要です。リズムが整えば体内時計も正常に機能し、自律神経のバランスも保ちやすくなります。

朝の光を浴びることも、自律神経を整える手段の一つです。朝の光を浴びると、体内時計がリセットされ、セロトニンの分泌が促進されます。セロトニンはリラックスやストレス緩和に役立つだけでなく、メラトニンの原料ともなり、良質な睡眠をサポートします。朝食も重要で、体内温度を上昇させ交感神経を活発にし、副交感神経への切り替えを促す役割があります。早起きと朝食は心の健康にも良い影響を与えます。

【自律神経と腸の関係】

脳と腸が相互に影響し合う「脳腸相関」も注目されています。ストレスが腸に影響を与え、腸の不調を引き起こすことがあります。腸内環境を整えるためには、食事に注意することが重要です。発酵食品や食物繊維を摂り入れることで、腸内の善玉菌の活動が促進され、腸の健康がサポートされます。レジスタントスターチも穀物やイモ、果物に含まれており、腸内環境の改善に寄与します。

食事をとる際には、リラックスした状態でゆっくり食べることも大切です。急いで食事をすると交感神経が優位になり、胃腸の動きが抑制されてしまいます。食事の際には心地よい環境で食べ、食べること自体を楽しむことが腸の健康にも良い影響を与えます。

【電源オフでリラックスタイム】

朝の光を浴びてから夜になるまでの間には、体内のリズムが切り替わって休息モードに移行するようにプログラムされています。これは交感神経から副交感神経への切り替えです。しかし、仕事から帰宅した後など、夜の過ごし方によってはこの切り替えが上手くいかなくなることもあります。テレビを見たり、SNSをチェックしたりすることで、電子機器から出るブルーライトが脳を刺激し、交感神経を優位にさせてしまいます。つまり、のんびりと過ごしているつもりでも、実際には脳は覚醒モードになってしまうのです。この状態が睡眠を妨げる要因となるため、注意が必要です。

夜のリラックス効果を高めるためには、以下の点に気を配りましょう。

  • 部屋の照明を調整して、適度な明るさにする。
  • 就寝1〜2時間前にはテレビやパソコン、スマートフォンの使用を控える。

ぬるめのお湯にゆっくり入浴する習慣も良いですが、注意が必要です。お湯の温度は38~40℃がオススメで、これにより血管が広がり、血液の循環が改善されます。結果として、緊張信号がリラックス信号に変わり、脳の視床下部に伝わります。これにより交感神経の働きが抑えられ、リラックス状態に入ります。ただし、お湯の温度が42℃を超えると逆効果になります。熱すぎるお湯は交感神経を刺激し、リラックス効果を逆転させてしまうため、温度には注意が必要です。リラックスした状態を実現するためには、温度を把握し、適切な範囲に保つことが大切です。

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この記事を書いた人

鍼灸マッサージ師をしています。
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