心筋梗塞の発症リスクを高める要因とは

心筋梗塞は、命にかかわるとても怖い病気です。具体的に何が原因で起こるのでしょうか。発症リスクの要因と、そのリスクを回避するための予防策はどんなことがあるのでしょうか。

【心筋梗塞とは】

心筋梗塞は、「血管の詰まり」が原因で発症する病気です。脳梗塞などと同じです。心臓そのものが動くために必要な酸素や栄養を送る、冠動脈に詰まりがあって血液が流れなくなると、流れなくなった場所よりも先にある心臓の筋肉(心筋といいます)が壊死してしまうのです。

壊死した部分が、大きいほど命を落としやすくなり、壊死した部分が小さいほど助かる可能性が上がっていきます。

【心筋梗塞の前兆】

心筋梗塞の前兆は、胸が締めつけられるような圧迫感や、で胸の痛みです。心筋梗塞を起こした人の50%に当たる人が、発症する1~2か月以内に、このような前兆を経験します。

しかし、残りの約半数は、このような前兆がないまま、いきなり発症してしまいます。特に高血圧症や糖尿病を抱えている人や、高齢者などは、痛みなどの自覚症状がないことが、よくあります。前兆がないからと油断するのは禁物なのです。

前兆がある場合によく見られるのは、圧迫感や胸の痛みが、5~10分程度数回繰り返され、その後大きく激しくなったり、頻度が増えたりします。このような状態を、不安定狭心症と呼びます。

不安定狭心症は、安静にしていれば、ほぼ治まります。ですから、軽く考え、放置してしまう人が多いのが現状です。胸の違和感や痛み、締めつけられるような症状を繰り返すようなら、心筋梗塞を疑いましょう。また、夜間や安静時にも痛みなどが感じられるようなら、必ず医療機関を受診してください。

【チェック項目】

胸の痛みや圧迫感はなくても、以下のような症状を繰り返すようなら、注意が必要です。

・不整脈が出る
・急に激しい動悸が起こる
・脈が異常に速くなる
・脈がドキンと飛ぶ感じがする

【症状】

心筋梗塞の症状として最も特徴的なものは、脂汗が出るほどの激しい胸の痛みです。痛みというよりかは、胸が焼け付くような感じがする、胸が締め付けられるような圧迫感がある、と言う人もいます。

狭心症とは違って、症状が数分から15分程度の一時的ではなく、30分以上続きます。そのため、しばしば恐怖感や不安感を伴います。

痛む場所は、主に胸の中央部から胸全体にかけてです.。左胸から顎のあたりや、左肩から左腕にかけてに、広がっていく場合もあります。このため、心臓から来る痛みとは思わず、胃痛や歯痛などと勘違いする人もいます。背中が痛むこともあります。

さらに、呼吸が苦しい、冷や汗が出る、吐き気がする、といった症状を訴える人もいます。顔面が蒼白になり、脱力感、動悸、めまい、失神、ショック症状を呈する場合もあります。

【心筋梗塞の発症リスクを高める要因】

血管(心筋梗塞の場合、冠動脈)が詰まるのは、動脈が硬くなる動脈硬化と、動脈硬化によってできてくる血栓が大きな原因です。動脈硬化になってしまうと、血管の壁に脂質が大量に溜まります。脂質は塊となり、血管を狭くしてしまいます。血管の壁を硬く、もろくしていきます。そうなると血管が傷つき破れやすくなり、修復するために集まってきた血小板が血栓を作ってしまうのです。

動脈硬化は通常、加齢とともにじわじわと進行していきます。ところが、高コレステロール血症・高血圧症・糖尿病・肥満といったの生活習慣病や、運動不足・糖質や脂質の多い食事・喫煙やストレスといった生活習慣により、急速に進みやすくなっていきます。

また、女性ホルモンのエストロゲンには、動脈硬化の原因となる、悪玉コレステロールを分解する働きがあります。このエストロゲンは閉経後、分泌量が大きく減ってしまいます。こういったことから、女性は閉経によるエストロゲンの分泌量の低下が、動脈硬化の原因のひとつになっていきます。

【心筋梗塞の予防】

心筋梗塞の予防には、生活習慣の改善がとても重要です。特に、糖質や脂質・塩分の多い食生活の人は、ぜひ野菜や魚介類中心のヘルシーな食生活を心がけてください。また、タバコや運動不足も、動脈硬化のリスクを高めていきます。禁煙と適度な運動を習慣化していきましょう

動脈硬化の進行を遅くするには、動脈硬化を早め早めに発見、早期に対策をとることもとても大切です。年1回以上は健康診断を受け、血圧や血液検査・心電図に異常がないかを確認することが大切です。また、年齢や既往歴などに応じ、冠動脈カテーテル(CT)などで直接冠動脈を確認するのも早期発見に役立ちます。医師と相談しながら、自分に最適の検査を受けるようにしましょう。

【日常生活の工夫と定期的な検査をしましょう】

動脈硬化に対する予防法の研究や、冠動脈カテーテル(CT)の発達により、心筋梗塞は防る病気になりました。生活習慣を改善し、定期的な検査を行って心筋梗塞を予防しましょう。

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この記事を書いた人

鍼灸マッサージ師をしています。
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