社会人、新入生など、新しい生活が始まり1か月半。新しい生活環境で起こりやすい体や心の不調の原因といえば、ストレス。おすすめの対策についてご紹介します。
ゴールデンウィーク明けに起こりやすい症状といえば「五月病」。新入生や新入社員がかかりやすい症状としてよく知られています。ここ最近は研修期間を長めに取る企業が増えてきたことなどにより、時期がずれて「六月病」などと呼ばれることもあります。
どちらの場合も気分が落ち込んで憂鬱になったり、気力ややる気がわかなかったり、食欲がなくなったり、何をしても楽しめなくなったりするのが特徴といえます。
起こりやすい症状・原因
ストレスによって引き起こされる症状は、主に全身症状と消化器系の症状が特徴です。
- 全身症状・・・眠気、倦怠感、疲労感
- 消化器系症状・・・胃痛、吐き気、過食
人間をはじめ動物は安定を好み、変化を好まない性質があることはご存じでしょうか。そのため、環境の急激な変化が起こると、それが良い変化であっても悪い変化であっても、ストレスの要因となり、自律神経が乱れてしまうのです。
自律神経には活動しているときに働く交感神経と、休息しているときに働く副交感神経の2種類があります。この2つの神経のバランスによって活動状態と休息状態をうまく切り替えています。
ストレスによって緊張状態が続いていくと、神経の切り替えがうまく稼働しなくなり、消化器官の働きが鈍ったり、内臓の知覚過敏が起こっていきます。また、この季節は天気が変わりやすく大きな寒暖差や大きな気圧の変化が、とても短い周期で訪れるため、体調を崩しやすい時期であることも体に負担をかける一因となっています。
おすすめのストレス対策
新生活のストレス症状の原因は、主に「緊張状態」「自律神経の乱れ」が原因であることがわかってきました。そこで、これらの状態を緩和するためには一例として以下のような対策がおすすめです。
- 緊張をほぐす・・・ハーブティーを飲む、深呼吸や瞑想をする
- 血行を促進する・・・ストレッチやヨガ、ウォーキングなどの軽い運動をする
- 自律神経を整える・・・目覚めてすぐに朝日を浴びる、寝る前にぬるま湯にゆっくりつかる
緊張すると血行が悪くなるため、血行を良くして緊張をほぐしていきます。また、運動で全身の筋肉を刺激していくと、ドーパミンやセロトニン、エンドルフィンといった幸福感や積極性などを上昇させるホルモンが放出、心理的にも良い効果がもたらされます。
乱れてしまった自律神経を整えるには、寝る前に39~40℃程度のぬるま湯に15~30分程度つかるのが良いでしょう。眠りの質を良くするだけでなく、バスソルト、バスミルクなどの入浴剤を使えばリラックス効果や保湿効果なども期待できます。
心理的な負担を軽減するためには笑ったり、何もしない時間を作ることも効果的です。わざと口角を上げて笑顔を作ることをやってみましょう。瞑想やぼーっとすることは、頭の中を整理し、心を落ち着けることができます。
ストレスはその日のうちに解消しよう
慣れない環境でストレスの溜まりやすい時期、1日の中で運動や入浴、休息をしっかりとり、ストレスを翌日に引きずらないように過ごしましょう。
五月病とは?
五月病は、医学的には「抑うつ状態」や「適応障がい」と診断されます。
これは精神的、身体的なストレスや疲れで、心身に大きな負荷がかかり、脳が正常に働きにくくなくなった状態といえます。
ストレスというとネガティブな原因を思い浮かべてしまいがちですが、希望していた学校への進学や昇進、結婚など、ポジティブな変化であってもストレスの原因となります。
人間は、おかれている環境に変化があると悪い変化だけでなく、良い変化であっても、心身が緊張したり警戒したりする性質があります。この状態が続くと普段よりもエネルギーを消耗してしまいます。
特に真面目な人や頑張りやさんは、入学・入社の最初から早く慣れようとして余分にエネルギーを使ったり、疲れていてもここを乗り越えないと、と自分を抑えて頑張ってしまいます。そうなってくるとストレスをどんどん溜め込めこんでしまい、五月病になりやすくなってしまいます。
五月病にならないための対処法とは?
五月病にならないために、以下のようなことに気をつけて過ごしましょう。
- 全てをはじめから完璧にこなそうとしない
- 他人との会話やコミュニケーションをしっかり取る
- 栄養バランスが取れた食事をする
- 適度な運動を続ける
- 睡眠の質を上げる ・・・ 寝室の環境を整える、アルコールを控える、寝る前にスマホやタブレットを見ない、朝日を浴びて体内時計をリセットするなど
忙しくて、なかなか運動や睡眠の時間が取れないという人もいることでしょう。そういうときこそ、全てを完璧にこなそうとしないことが重要なのです。さらに、忙しいときほど、食事の栄養バランスがおろそかになりやすく、手軽にお腹をふくらます食事で済ませてしまいがち。ですが、栄養が偏ると精神的な不調につながることもあります。主食・主菜・副菜でできるだけたくさんの食材を食べられるようにしましょう。
五月病にならないために、頑張りすぎず適度に休憩を
五月病は、心身に大きなストレスがかかることで起こります。新入学や入社で緊張と気合がはいる時期ですが、頑張りすぎないことに気をつかいながら、適度な運動や友人・家族との交流などで上手に息抜きしていきましょう。