【複雑になっている夏バテ】
夏バテといえば暑さで体力を消耗し、食欲が落ちてグッタリする状態でした。いまどきの夏バテはグッタリでも、昔のものとは違う原因であることが多くなっています。
【自律神経が乱れる「冷房バテ」】
人の体は徐々に暑さに慣れていくようにできています。最近は気候の変動もあり、まだ暑さに体が慣れない5月くらいで猛暑日になることも。猛暑ゆえに、電車やお店、オフィスでは、かなり冷房の設定温度が低め。屋内は寒いのに、外に出れば激烈な暑さ。気温差の大きい屋内と屋外を一日に何度も行き来することで、自律神経が乱れ、内臓の働きが鈍り、疲れがたまりやすくなってしまうのです。
また、屋内と屋外の行き来はなくても、冷房の効いた屋内に一日中いるという人も問題。体が冷えきって血行が悪くなり、やはり内臓の働きが落ちたり、肩こりなどを引き起こしがちです。屋内にいるときは、羽織り物や膝掛けなどで冷えすぎないようにすることが大切です。
【冷たい食べ物で「食冷えバテ」】
キンキンに冷えたビール、氷たっぷりのジュース、アイス、かき氷など、つい手が伸びてしまう冷たい食べ物や飲み物。現代のように冷房漬けの人たちがこうしたものばかり食べていると、胃腸が冷えすぎて機能が低下し、胃もたれや下痢の原因に。常温の食べ物や温かい汁物などを取り、内臓を冷やさないようにしてください。
【いまどき夏バテチェック】
1.屋外と屋内の出入りが日中に3回以上ある
2.エアコンの設定は25℃以下である
3.夜、なかなか眠れない
4.一日の大半を、冷房が効いた場所にいる
5.イライラしがち
6.生理痛がひどくなる
7.頭痛や肩こり、むくみがひどくなる
8.お腹を下しがち
9.温かい食べ物より、そうめんなど冷たいものを食べることが多い
10.飲み物は、ほとんど冷たいものを飲む
1、2、3、4、5…冷房バテ
6、7、8…冷房バテ、食冷えバテ
9、10…食冷えバテ
暑い屋外と寒い屋内の出入りが多いと、自律神経が乱れます。結果、夜なかなか寝つけなかったり、ホルモンバランスが崩れて生理痛やイライラがひどくなったり。また、ずっと寒い屋内にいると血行が悪くなり、肩がこったりむくんだりします。体や内臓を冷やしすぎないよう心がけてください。
【薄着すぎるのは禁物】
一日のほとんどを過ごすのが冷房の効いた屋内や電車内である場合、体を冷やしすぎている恐れがあります。すぐに羽織れるものを常備して、室内での服装は、春物、秋物くらいの感じにしましょう。また、オフィスで大半を過ごす人は腹巻きやレッグウォーマー、リストウォーマーなどがおすすめです。
【夏でもしっかり湯船に浸かる】
夏の入浴はシャワーで済ませがちですが、夏もしっかり湯船に浸かることが大切。体は冷房で冷えきっています。ただ、40℃を超える熱い湯に浸かると交感神経が優位になり、寝つきにくくなります。38℃程度のぬるめの湯に最低10分、できれば30分くらい浸かると副交感神経が優位になって自律神経のバランスが整います。
【寝る前は明かりを暗めに】
寝る直前まで強い光を浴びていると、自律神経のバランスが崩れます。寝る一時間前くらいにはパソコンやスマホの作業は終え、部屋の明かりを暗めにしましょう。
【味噌汁がおすすめ】
一日中冷房漬けという人は、夏でも温かい汁物を。特に味噌汁は、味噌やワカメなどから、汗で流れがちな塩分やミネラルも取れます。
【体を温める食材を】
冷房の効いた屋内では、なるべく体を温める飲み物をとりましょう。トマトやきゅうりなどの夏野菜は、暑い時期に体にこもった熱を逃がす作用をもつ優れものですが、冷房がガンガンに効いた場所で食べると体が冷えすぎてしまいます。食べるときは、火を通した温かい料理にしたり、体を温める効果のある天然塩をかけたりしましょう。また、夏場は水分補給が大切ですが、取りすぎに注意です。水には熱を奪う性質があり、冷えの原因にもなるので、適正量を心がけてください。
【スタミナ=肉ではない】
食冷えバテなどで胃腸が弱っているときに、スタミナをつけようと、脂たっぷりの肉や鰻を食べると、よけいに胃腸に負担がかかり、逆効果です。疲労回復効果のあるビタミンB1は、豚肉に豊富とよく言われますが、ビタミンB1は、玄米やタイ、カツオ、マグロなどの魚にも入っています。豆類にも豊富なので、枝豆などもオススメ。また、タマネギ、ニンニク、ネギなどにはアリシンという成分が含まれますが、アリシンがビタミンB1と結合すると体内への吸収がよくなり、疲労回復効果が高まります。ニンニクやネギなどを上記の食材に合わせると、スタミナアップに効果的です。