温泉はホルモンや免疫の機能を整える

温泉地での滞在は、楽しみながら、ゆっくりと体をリラックスさせることができます。日本の温泉療法は、江戸時代を起源としており、温泉に入ることで体調が改善し、病気が快方に向かうという効果が知られています。これまでは経験則でその有効性が広く認知されていましたが、最近では科学的な研究によってその裏付けがなされ、海外でも注目を浴びています。古くから受け継がれてきた日本の温泉は、ストレスが多い現代人にも効果があります。

日本の温泉は、伝統医学として研究されてきた歴史があります。その主な医学的効果は、温泉の熱による血管拡張や血行促進などの「物理的効果」、温泉に含まれるイオンや化合物による「化学的効果」、そして「総合的生体調整作用」の3つが挙げられます。特に注目すべきは、「総合的生体調整作用」であり、これは転地療法としても知られ、温泉の温度や環境が人体の調子を整える作用を指します。近年、内分泌や生命科学の分野でも同様の効果が報告され、国外の研究者も興味を持っています。

「総合的生体調整作用」は、温泉地や温泉が体内のホルモンや自律神経に働きかけ、乱れた生体機能を本来のリズムに整えると言われています。このメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、視床下部や脳下垂体、副腎を経由する経路が調整のカギを握っていると考えられています。

長期間湯治を受けていた人々のホルモン変動を調査したところ、アドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが次第に低下し、湯治によって内分泌のバランスが整っていきました。このような「総合的生体調整作用」は、どの温泉でも得られることが分かっています。内分泌や免疫機能はストレスの影響を受けやすいため、忙しい人ほど温泉に行き、休息することが最高の治療となります。現代人のストレスは、数日間の温泉地滞在でもとても有効です。

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鍼灸マッサージ師をしています。
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