【鍼灸師になったきっかけ②】
耳鼻咽喉科の先生が鍼灸? ハテナマークが頭の中に点滅しつつも、鍼灸といえば、マッサージもしてくれるよな、ウフフなどと、自分の不調そっちのけで、マッサージ妄想。生理痛がつらくて、鍼灸マッサージに行ったことがあったのです。早速電話。火木土が特殊治療やってますから、お越しください、と言われ、土曜日のお休みに、地下鉄、名鉄瀬戸線を乗り継いで治療へGo!ドアを開けると、結構な人だかり。待ち時間に、看護師さんが、ナゾの腕回し運動を教えてくれました。
診察室に入ると、お灸の独特な香り。「今日はどうしたの」という優しいものごしの樋田和彦先生の後ろには、鍼灸師のみなさんがずらり。簡単な問診のあとは、先生ー看護師さんー私でOリングテスト(おーりんぐてすと)。いよいよ、鍼?とドキドキしていたら、「手の平出して~」。先生は高麗手指鍼(こうらいしゅししん)という韓国発祥の鍼の技術を使った治療なのでした。両手、手の甲と手のひらにさしたまま、場所移動してそのまま休憩。看護師さんが鍼を抜いたあとは、両手にお灸。灸点紙というお灸の熱を緩和するシールを貼り、その上にもぐさをおいて、次々と火をつけていきます。ほぉ~、とみとれていると、先生から呼ばれました。
「これから毎日朝晩、手にお灸をしてね。印つけておくから」毎日朝晩!?朝は保育園→出勤で超忙しいので、夜だけしか、というと、「じゃ、夜だけ、毎日やるんだよ」 受付でもぐさ、灸点紙、線香を渡され、マッサージないんだ、と罰当たりことを考えつつ、帰宅。その日から夜、もぐさと奮闘する日々。
2週間に1回、鍼灸治療と、毎日のお灸。2か月めに入った頃から、疲れても湿疹、痒みがないことに気づきました。んんん?これ、もしかして、鍼灸効果?
ある日の診察で、「あれ、食べちゃいかん、これ食べちゃいかん、って頭で考えて食べてない?」 図星。そんな頃、自分だけやれる範囲で菜食をしていました。「添加物は避けた方がいいけど、肉も魚も卵もフツーに食べればいいんだよ」
樋田先生に言われたんじゃ、やってるわけにいかないデショ。サッサと菜食を捨てて、フツーの、家族と一緒の食生活に戻しました。もちろん、菜食とかマクロビオティックとか、合っている人には合ってるんだと思います。でも、自分はどこかで「私はこれをするべき」みたいな、べき思考にとらわれていて、誰かに「食べても大丈夫なんだぜ」と言われるのを待っていたのかも。
鍼灸を始めて3か月になろうとしていた頃、すっかり湿疹、痒みが出なくなっていました。おぉー、これは!
その年の冬、いつもは手の先、足先の冷えでガタガタしているのに、全然寒くない自分がいました。鍼灸めっちゃすごいやん。樋田先生みたいな医者にはなれんけど、鍼灸師ならなれるかもー 学校のパンフレットを見ては「定年後かなー」などとニヤついている自分…
某メーカーに就職して、育児休業後は、同じ敷地内の系列会社に出向していました。グループ会社のコピーを一手に引き受ける仕事。単純作業が多いけど、良い社員さんや、楽しいパートさんたちに恵まれてるし、きっかり定時で帰れるし「私、この仕事好き~」と嬉々として働いてました。2010年頃のある日、「社内の心の疾患8%」という書類。8%!? 12.5人に1人? ふと見まわすと、疎遠になった友人とか、休職している人とか、結構いる!
鍼灸だったらなんとかなるんじゃない?足掛け5年引きずった湿疹、痒みも治っちゃったんだし。心の病のこと、なーんにも知らないのに、根拠のない直感でした。(次回につづく)